1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08407064
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
坂東 永一 徳島大学, 歯学部, 教授 (00014168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細木 真紀 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10228421)
竹内 久裕 徳島大学, 歯学部, 助手 (10222093)
鈴木 温 徳島大学, 歯学部, 助手 (80196790)
池田 隆志 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30193204)
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Keywords | 高精度変位計測器 / 咬合力 / 磁気位相空間 / 歯の変形 |
Research Abstract |
開発を進めている磁気位相空間を応用した変位計測技術を用いて咬合と歯周組織の研究に用いるための口腔内に設置可能な高精度小型変位計の試作を行った.試作変位計は6×6×6mmの立方体内に1対の1次コイルと1個の2次コイルを配置した1軸変位センサである.1次コイルに位相の異なる同一周波数の正弦波電流を流して磁気位相空間を形成し,2次コイルの変位量を位相変化量として検出する.試作変位計の平行移動量に対する位相変化量は0.29°/μm,測定分解能は5.4nm(位相検波精度で0.00158度)であり,高精度な変位計を実現できた. 試作変位計の性能評価を行うために,口腔内での咬合力発現時の歯の変形測定に応用した結果,咬合力の大きさに対応した歯の変形が観察された.また頬側歯面中央部に歯軸と可及的に平行になるようにセンサを設置し,咬合力負担部位を頬側咬頭,舌側咬頭,咬合面中央部としたとき,頬側歯面はそれぞれ短縮,伸展,不定となり,咬合力負担部位が歯の変形方向に影響していた.歯の変形量を測定することで歯にどの程度の咬合力がどの方向から加わったかを推定でき,従来不可能であった側方運動時や咀嚼時の歯への負担を将来的には定量的に評価できると思われる. 以上のことより試作変位計は高精度変位計として口腔内での使用が可能であった.この変位計測技術は咬合研究を行うに十分な性能を実現可能であり,この技術を応用することで咬合についての新たな研究方法の可能性が示された.
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