1996 Fiscal Year Annual Research Report
口腔機能(発音、咀嚼、嚥下)の客観的評価法と障害の治療に関する研究
Project/Area Number |
08407067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
道 健一 昭和大学, 歯学部, 教授 (40013891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 義郎 昭和大学, 歯学部, 講師 (10181687)
高橋 浩二 昭和大学, 歯学部, 講師 (40197140)
道脇 幸博 昭和大学, 歯学部, 講師 (40157540)
今井 智子 昭和大学, 歯学部, 講師 (60260907)
山下 夕香里 昭和大学, 歯学部, 講師 (50260906)
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Keywords | 口腔癌 / 再建手術 / 咀嚼機能 / 構音機能 / 嚥下機能 |
Research Abstract |
舌切除症例について術後の口腔機能について検討した。対象症例は集積された101例中、舌を含む切除術を受けた39症例である。切除部位別では、舌・口底切除症例が15例、舌・口底・下顎の切除術を受けた症例が24例であった。舌の切除様式別に見ると口底切除群では部分切除症例4例、可動部半側切除症例8例、半側切除症例3例であるのに対し、下顎切除群では舌部分切除症例が10例、可動部半側切除症例5例、半側切除症例2例、亜全摘出症例が7例であった。再建方法別では前腕皮弁を使用した症例が25例、腹直筋皮弁を使用した症例7例、大胸筋皮弁を使用した症例が5例、その他の再建法が3例であった。これらの症例について、視診による構音器官の機能評価、山本の咬度表咀嚼機能検査、日本語100語音による発語明瞭度検査、会話明瞭度検査、水30mlを実際に飲み干すまでの時間を計る嚥下機能検査を行った。 その結果、発語明瞭度検査では、部分切除症例64.4%、可動部半側切除症例62.9%、半側切除症例65.3%、亜全摘出症例31.8%であり、とくに舌亜全摘出症例で術後の構音障害が大きかった。咀嚼機能検査と嚥下機能検査ても同様に亜全摘出群で低い値であった。したがって舌半側切除を越える症例では、術後の口腔機能は低く、今後検討が必要と思われた。再建材料についての分析では舌半側切除術までの切除では前腕皮弁による再建が適切と思われたが、舌亜全摘出症例では筋体の豊富な腹直筋皮弁が適切と思われた。また咀嚼機能の改善のためには、歯槽堤の再建が必要であり、下顎骨体の再建と歯槽部の再建とを分けて考える必要がと思われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 道脇幸博,道健一他: "中枢性口腔機能障害の歯科医学的治療" 歯科医師会雑誌. 49-6. 4-14 (1996)
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[Publications] 遠藤由美子,道健一他: "著しい舌癖を有する口蓋化構音の1治験例" 音声言語医学. 38・1. 11-19 (1997)
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[Publications] 道脇幸博,道健一他: "中枢性嚥下機能障害の評価法について-X線ビデオ法による検討-" 音声言語医学. 38・1. 53-53 (1997)