1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
熊谷 隆 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (90234509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 誠 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (70252228)
千代延 大造 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (50197638)
尾畑 伸明 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (10169360)
市原 完治 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00112293)
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Keywords | フラクタル / 拡散過程 / 確率過程 / ランダムウォーク / ハウスドルク次元 / 固有値分布 / 熱核 / ホモジナイゼーション |
Research Abstract |
1。本研究を遂行する過程の中で,ファイナイト、ラミファイドフラクタル上の確率過程についての新たな知見が得られた。P.c.f.self-similar setと呼ばれる、自己相似性を持ったファイナイト、ラミファイドフラクタルの上にレジスタンスメトリックという距離を入れたとき、この上の拡散過程の熱核(基本解)の精密な評価が一般に可能であるとう結果である。これまでに、図形に強い対称性がある場合には、熱核のアーロンソン型の評価が得られていたが、今回の研究により、一般にはアーロンソン型の評価は成り立たないことがわかり、さらにショーティストパスの挙動との関連が詳しく調べられた。この結果を熊谷は1月のサンディエゴでの学会において発表し、現在論文を執筆中である。 2。インフィニット、ラミファイドフラクタルについては、ランダムシェルピンスキーカーペットに於ける拡散過程の熱核の研究を行っており、次元が2以下の場合には、サンプルとなるカーペットごとの熱核の詳しい評価が得られ、ランダムネスに強いエルゴード性の条件が課せられる時には、この評価からさらに確率1で成り立つ評価が導かれることが分かってきた。しかし高次元の場合には、事実としては同様のことが成立すると思われるが、いくつかの技術的な理由により証明ができていない。次年度にかけての課題である。 3。ユークリッド空間での現象とのつながり、特にホモジナイゼエションの問題については、今年度は特に新たな成果を得ることはできなかった。しかし、ホモジナイゼーションについては、前述したサンディエゴでの学会において関連した研究を行っている研究者達と議論を行うことができたので、彼等の結果を学びながら、研究を進めていくことを次年度の課題としたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kumagai: "Heat Kernel estimates and homogenization for asymptotically lower dimensional processes on some nested fractals." Potential Analysis. (発表予定).
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[Publications] T.Kumagai: "Short time asymptoic behavior and large deviations for Brownian motion on some affine nested fractals." Publ.Res.Inst.Math.Sci.(発表予定).
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[Publications] 熊谷隆: "フラクタル上の確率過程とその周辺" 「数学」(岩波書店). (発表予定). (1997)
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[Publications] N.Obata: "White noise approach to quantum martingales." In“Probability theory and mathematical statistics"(S.Watanabe et al(eds.). 379-386 (1996)
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[Publications] 尾畑伸明: "Towards a hon-linear extension of stochastic calculus." 京都大学数理解析研究所講究録. 957. 1-15 (1996)
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[Publications] M,Sugiura: "Exponential asymptotics in the small parameter exit problem." Nagoya Math.Journal. 144. 137-154 (1996)