1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454155
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
赤井 純治 新潟大学, 理学部, 助教授 (30101059)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 晴夫 新潟大学, 教育学部, 教授 (50108007)
松岡 篤 新潟大学, 理学部, 助教授 (00183947)
吉村 尚久 新潟大学, 理学部, 教授 (40018255)
|
Keywords | バイオミネラリゼーション / 鉱石 / 生物鉱物 / 電子顕微鏡 / 錦沼 / 鉱物学 / 群馬鉄山 / 火星隕石 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下のとおりである.(1)バクテリア起源磁鉄鉱の問題では,新潟県下の池潟沼の試料から補足的データをあつめた.これに関連し,火星隕石から生命の痕跡の可能性があるとのトピックスに関連し,その証拠のひとつとして,このバクテリア起源磁鉄鉱があげられていたことから,それらの意義,とくに生命活動との関連で,議論し,7月ハワイで開かれた国際隕石学会で発表し,また論評文をまとめた.(2)生物関与の鉄鉱石の問題では,群馬鉄山他から広く試料を得て,検討をさらにすすめた.この結果バクテリアの関与も大きいことがわかった.これについては,現在アメリカ鉱物学会誌に投稿中である.さらに,北海道の錦沼の鉄鉱床についてあらたに検討をはじめた.今回,1)どのようなバクテリアか,他の生物相が関わるのか関わらないのか,2)またその沈殿からどのように鉱石化してゆくのか,3)鉱石中にバクテリア性という痕跡がみいだされるのか否かという3つの点に焦点をあわせ検討した.鉱石はX線的にはゲ-サイトである.湧水と流水の化学的性質をしらべた:pH,DO,ORPの変化もみた.湧水口では小さな球菌が多数みられ,その組成はFeの他にAlVなどを特徴的に含む.またわずかみ桿菌,糸状菌などがみられ,緑藻にも鉄沈着らしいものがみられた.鉱石組織には数μm程度の球状のゲ-サイトの集合体が多数みられた.これは球菌への鉄の沈殿がさらに成長してこの大きさになったと考えられた.本研究結果は地球惑星関連合同学会で発表の予定である.
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] Akai, J, Lida, A, Akai, K and Chiba, A: "Mn and Fe minerals of possible biogenic origin from two Proterozoic stromatolites in western Australia" 地質学雑誌. 103・5. 484-488 (1997)
-
[Publications] 赤井純治 川本光基 赤井しるみ: "生物が関与して生成した鉄鉱石:群馬鉄山産鉄鉱石(Goethite)のTEM観察" 鉱物学雑誌. 26・2. 91-97 (1997)
-
[Publications] 赤井くるみ 赤井純治: "湯の小屋温泉のMnからなるストロマトライト構造" 鉱物学雑誌. 26・2. 99-102 (1997)
-
[Publications] Akai, J, Chiba, A, Konishi, H, Komatsu, M and Matsubara, S: "New occurrences of non classical pyriboles formed during ocean - floor and regional metamorphism : estimated PT conditions of formation" European Journal, of Mineralogy. 9・6. 1237-1255 (1997)
-
[Publications] 赤井純治: "火星隕石(ALH8400i)産磁鉄鉱・磁硫鉄鉱はバクテリア起源地球でのバイオミネラリゼーションの知識からの比較検討" 月刊地球. 7月号. 451-459 (1997)
-
[Publications] 赤井純治: "火星隕石(ALH8400i)と生体鉱物" 遊・星・人(日本惑星科学会誌). 6. 45-51 (1997)
-
[Publications] 金沢大バイオマット研究会(6項回分担執筆): "バイオマット-身近な微生物がつくる生体鉱物-" 金沢大, 91 (1997)
-
[Publications] 電顕学会(分担執筆): "ミクロの世界・物質編-目で見る物性論" 学際企画, 408(6) (1997)