1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08454230
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
水野 一彦 大阪府立大学, 工学部, 教授 (10109879)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前多 肇 大阪府立大学, 工学部, 助手 (40295720)
松村 昇 大阪府立大学, 工学部, 助手 (40125274)
杉本 晃 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00081323)
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Keywords | 光誘起電子移動反応 / 不斉光反応 / 励起錯体 / エナンチオ選択性 / ジアステレオ選択性 / 蛍光消光 / (4+4)光環化付加体 / かご型化合物 |
Research Abstract |
キラルな励起分子と基底状態にある分子との分子内または分子間相互作用によって生成する励起錯体のキラル識別能およびその相互作用機構を明らかにし、新しい高エナンチオ選択的またはジアステレオ選択的光化学反応を開発することを目的として、キラルな励起分子または励起錯体のキラルな消光剤による消光、およびキラルな補助基をもつ化合物の光環化付加反応を行い、以下に示す知見を得た。 1.軸不斉を有するS-(+)-およびR-(-)-2,2'-ジメチル-1,1'-ビアントリル(S-(+)-1およびR-(-)-1)の蛍光消光におけるエナンチオ選択性について、種々のキラルな消光剤を用いて検討した結果、その消光速度は消光剤の構造、電子供与能、ならびにキラリティーにより大きく変化することが明らかとなった。キラル識別能はS-(+)-1の蛍光を(+)-および(-)-N-(α-メチルベンジル)-2,5-ジメチルピロールのエナンチオマー対で消光した時に最も大きく発現し、そのkqτの比は1.15±0.04であった。 2.S-(+)-1およびR-(-)-1が電子供与性分子と励起状態において発光性のエキシプレックスを形成することを利用し、S-(+)-1およびR-(-)-1とジメチルアニリンとで形成される励起錯体の発光の消光をキラルな消光剤を用いて検討した結果、キラルなエキシプレックスはキラルな消光剤とエナンチオ選択的に相互作用することが明らかとなった。 3.分子内にメンチルオキシカルボニル基をもつナフタレンとフランとをエーテル結合で連結した化合物の分子内光環付加反応を行い、(4+4)光環化付加体およびかご型化合物がジアステレオ選択的に生成することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ryuichi Arakawa: "On-Line Electrospray Mass Analysis of Photoallylation Reactions of Dicyanobenzenes by Allylic Silanes via Photoinduced Electron Transfer." Int.J.Mass Spectrom.Ion Processes. 160. 371-376 (1997)
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[Publications] Masao Fujiwara: "Spectroscopic Studies on Photochemical Formation of o-Xylylene in Solution." J.Phys.Chem.A. 101・27. 4912-4915 (1997)
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[Publications] Nobuyuki Ichinose: "Nonlinear Laser Intensity Dependence of the Formation of Carboxylic Acid Groups At the Surface of Polymer Films : The Effect of Coupling of Radical Intermediates." Langmuir. 13・10. 2603-2605 (1997)
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[Publications] Gen-ichi Konishi: "A Novel Photocycloaddition of Allylic Silanes to 2,3-Dicyano-5,6-dimethylpyrazine : Formation of 2,8-Diazatricyclo [3.2.1.0^<4.8>] oct-2-ene Derivatives." Tetrahedron Lett.38・30. 5313-5314 (1997)