1996 Fiscal Year Annual Research Report
ラマン散乱をプローブとする酸化物高温超伝導体における異常電荷移動
Project/Area Number |
08455012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
垣花 眞人 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (50233664)
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Keywords | ラマン散乱 / 高温超伝導体 / 電荷移動 |
Research Abstract |
平成8年度の研究計画は極めて順調に進行していると評価できる。研究対象としたシステムのうち、Bi_2Sr_2Ca_<1-x>Y_xCu_2O_yについては良質な単結晶の育成に成功し、すべての結晶方位にわたり偏光ラマン測定を終了し、とくに超伝導(金属)-絶縁体転移に伴う異常フォソンがCuO_2面に関係するラマンモードに現れることを初めてつきとめたことは、予想以上の成果であった。同様の実験を、YBa_2Cu_<3-x>Co_xO_y単結晶について実施しているが、この系ではサイズの大きな良質な単結晶を育成することがやや困難であり、偏光ラマン測定に思いのほか時間を要している。しかしながら、高倍率の対物レンズを導入し、レーザービームを1ミクロンまで絞り込むことによって、この問題点もほぼ解決しつつある。一方、Bi_2Sr_<2-x>La_xCuO_yの単結晶の育成は比較的容易であり、すでに大型の結晶を得ており、偏光ラマン測定も順調に進行しているが、この系ではCuO_2面に関係するラマンモードの強度が弱いため、超伝導(金属)-絶縁体転移に伴う異常フォノンの挙動が精度よく観測できないという問題点に突き当たった。この点については、CuO_2面と垂直に結合する頂点酸素の挙動から間接的にキャリヤ-の移動をモニターできるかどうかを検討しているところである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kall,Litvinchuk,Berastegui,Johansson,Borjesson,Kakihana,Osada: "Phonon Raman scattering in Y_<1-x>Pr_xBa_2Cu_4O_8(x=0-1)and(Y_<1-x>Pr_x)_2Ba_4Cu_7O_<15-d>(x=0-0.6)" Physical Review B. 53. 3590-3597 (1996)
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[Publications] Kakihana,Osada,Kall,Borjesson,Mazaki,Yasuoka,Yashima,Yoshimura: "Raman active phonons in Bi_2Sr_2Co_<1-x>Y_xCu_2O_<8+d>(x=0-1)Effects of hole-filling and internal pressure induced by Y doping for Ca,and implications on Phonon assignments" Physical Review B. 53. 11796-11806 (1996)
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[Publications] Osada,Kakihana,Kall,Borjesson,Yashima,Yoshimura: "Change in phonon Raman spectra of Bi_2Sr_2Ca_<1-x>Y_xCu_2O_<8+d> induced by hole filling and implications for phonon assignments" Materials Science and Engineering B. 41. 107-110 (1996)
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[Publications] 奈須野,長田,垣花,安岡,栃原,間崎、藤森,八島,吉村: "錯体重合法によるCa置換YBa_2Cu_3O_<7-d>の合成とラマン散乱" 粉体および粉末冶金. 43. 1065-1069 (1996)