1997 Fiscal Year Annual Research Report
超高真空中接触角測定法によるエピタキシャル成長基板表面の『その場』観察
Project/Area Number |
08455017
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
松下 浩一 山形大学, 工学部, 助教授 (70124625)
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Keywords | 接触角 / エピタキシャル成長 / 表面状態 / GaAs / Ga / 液滴 / 水滴 / 超高真空 |
Research Abstract |
本研究は、エピタキシャル成長時の成長条件における基板の表面状態に関する検討を、超高真空中の接触角測定で行おうとするものである。 1.グローブボックス(新規購入)中でGaAs基板上のGa液滴を400℃程度まで加熱した。200℃までは光沢のあるGa液滴が得られたが、窒素を満たしたにもかかわらずそれ以上の温度でGa表面の光沢がなくなり、加熱のみでGa液滴表面の酸化物を除去することは困難であることが確かめられた。また、GaAs基板上のGa液滴の接触角は90°以上であったため、レーザー光を照射する現在の接触角測定法は用いることができなかった。 2.画像処理用パソコン(新規購入)とCCDカメラを組み合わせて接触角測定装置を組み上げた。その結果、Ga液滴の形状はほぼ真球であり、窒素中200℃でのGaAs基板上Ga液滴の接触角は140°であることが分かった。 3.UHVゲートバルブ(新規購入)を用いてグローブボックスと超高真空装置とを直接接続した。これにより、液滴や基板表面をグローブボックス中で清浄化し、それを保った状態で真空装置に導入することが可能となった。 4.Ga液滴は真球に近いため、GaAs基板上にGa液滴をのせるという従来の接触角測定法は用いることができないことが明確となった。そこで、直線導入機(新規購入)をGaAs基板の上下機構として取り付け、そこに基板表面を下向きにして基板を取り付け、下部に置いたGa液滴と接触させる方法を開発した。 5.水素プラズマ処理、塩酸処理、脱気した超純水処理したGaAs基板上に滴下した水滴の接触角は、処理なしの場合より増すことが明らかとなり、その一部を論文として投稿した。GaAs基板上の酸化層はこれらの処理で取り除かれるからである。現在、超高真空装置に入れる前の化学処理条件の再検討を行っているところである。
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