1996 Fiscal Year Annual Research Report
国土計画における交流・連携効果の計測に関する理論と実証
Project/Area Number |
08455237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 吉隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (80035633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅 京都大学, 工学研究科, 助手 (70273464)
中川 大 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30180251)
近藤 光男 徳島大学, 工学部, 教授 (10145013)
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Keywords | 国土計画 / 交流 / 連携 / 全国総合開発 / 都市施設整備 / 国土軸 / 地域連携軸 |
Research Abstract |
<都市施設整備計画に関する交流・連携の理論モデルの構築> 次期全国総合開発のキーワードである「交流・連携」について、文献レビューとモデル構築、さらにはモデルによる検証を試みた。 文献レビューにおいては、交流・連携という概念がどのように生まれ、変遷してきたかについてまとめ、地域づくりにおける交流・連携の捉えられ方と現在の議論における問題点を整理した。 モデルの構築においては、今後の交流・連携施策で重視される都市施設整備計画に関して、一般均衡理論に基づくモデルを構築し、理論的考察を行った。また、シミュレーション計算を行うことで、都市施設整備における交流・連携について地域システム、人口、施設など様々な角度から検討を加えた。 モデルは、私的財的な施設と公共財的な施設の2つのカテゴリーで、都市施設整備計画に関する供給者と利用者の関係を表す一般均衡モデルを構築し、シミュレーション計算を行った。その結果、交流状態における都市施設整備は、料金低下や他地域からの需要によって、中低次レベルの施設利用の便益は中小地域の方で大きくなること、高次施設の便益については大地域と中小地域の間で大きな格差が生じることがわかった。 また、公共財的な施設においては、競争によって生じる無駄な予算の配分の仕方によって、連携方策を考慮する必要性を示した。地域間に人口の差がある場合は、異なるレベルの施設間で予算を分配し直すことで無駄をなくし、より大きな規模の施設の効率的な形成が可能となる。人口に差がない場合は、施設レベル間での予算配分変更では、大規模な高次施設の形成が達成されないが、各地域で幾種類かの高次施設を分担整備するという連携方策で、これを達成することが可能となることがわかる。
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