1998 Fiscal Year Annual Research Report
国土計画における交流・連携効果の計測に関する理論と実証
Project/Area Number |
08455237
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
青山 吉隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (80035633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松中 亮治 京都大学, 工学研究科, 助手 (70303849)
波床 正敏 大阪産業大学, 工学部, 講師 (60278570)
伊藤 雅 和歌山工業高等専門学校, 都市環境工学科, 助手 (70273464)
中川 大 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30180251)
近藤 光男 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10145013)
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Keywords | 国土計画 / 交流 / 連携 / 都市施設整備 / 国土軸 / 地域連携軸 |
Research Abstract |
わが国の国土計画をめぐる議論の中で、国土軸と地域連携軸の問題が重要なテーマとして注目されている。国土軸と地域連携軸は、一極集中型の国土を是正し、多極分散型国土を形成し、一軸集中型の高速交通体系から多軸・多層型のリダンダンシーをもったネットワークを形成し、さらに経済効率重視型の国土から、生活・安全・ゆとり重視の国土形成へと、国土計画の基本方向を転換しようとする哲学を背景にして生まれた戦略である。しかし、新しい戦略であるために、これらの軸形成の効果は従来型の経済効果、あるいは費用便益分析手法などでは測定できない。そこで、本研究では、国土軸に関する基礎調査に基づいて、国土計画における新しい戦略の効果測定のための研究を展開し,以下に示すようにその成果をまとめた。 (1) 交流・連携の概念の具体化のために、理論的な考察による交流・連携の効果の定義と内容を明らかにした。そして、地域空間内での都市機能サービスの需要構造に及ぼす影響に関する理論的解明を行った。 (2) 地域間の交流の程度の指標化のために、訪問した都市での滞在時間に着目した交流指標を提案した。そして、この交流指標について理論的な考察を行った後、高速道路の整備が地域間交流に及ぼす影響の実証分析を行った。 (3) 国土計画や交通網整備による長期にわたる地域の変化を定量的にとらえる手法をいくつか示し、地域構造の変化を長期的・全国的な観点から実証的に明らかにした。 (4) 都市間高速交通施設整備による利便性の向上を期待所要時間を用いることにより計測し、利便性の向上による便益計測から高速交通施設の整備効果の実証を行った。 (5) 道路ネットワークの簡便でかつ実用的なりダンダンシー評価のために、ODパフォーマンス関数を用いたリダンダンシーの簡便評価法を構築し、現状のネットワークの評価だけでなく、事前・事後の対策による効果も評価できる手法を構築した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 青山吉隆・山本恒平: "都市機能の需要構造を考慮した地域間交流・連携政策に関する基礎的研究" 土木学会論文集. No.597/IV-40. pp.61-69 (1998)
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[Publications] 中川 大・波床正敏・伊藤 雅・西澤洋行: "国際交通分析における利便性指標としての積み上げ所要時間に関する研究" 土木学会論文集. No.590/IV-39. pp.43-50 (1998)
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[Publications] 伊藤 雅・中川 大・西澤洋行・青山吉隆: "期待所要時間を用いた国際空港プロジェクトによる旅客便益の推計" 土木計画学研究・講演集. No.21(2). pp.109-112 (1998)