1998 Fiscal Year Annual Research Report
建築構造物の強震地動に対する倒壊安全性の評価法に関する研究
Project/Area Number |
08455249
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
壁谷澤 寿海 東京大学, 地震研究所, 教授 (00134479)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / 建築構造物 / 耐震設計 / 地震応答解析 / 梁 / 軸方向変形 / 応答変形 / 限界状態 |
Research Abstract |
本研究では,現行耐震設計規定の背景にある倒壊安全性確保の考え方を踏まえて,以下の手順で,入力地震動と応答(特に柱の部材力と変形)の関係を把握することが目的である.平成8年度から平成10年度の3年間で下記の(1)から(5)について研究を実施し,主に柱の応力に対する梁の軸方向変形の影響を明らかにしている.(1)地震動の指標と設定:耐震能を限界状態(倒壊)に達する地震動入力レベルで評価した.構造物の主軸方向と斜め方向の入力を区別して扱い,2方向地震動に対する安全性は斜め1方向入力に対する安全性で代表されると仮定しうることを示した.(2)構造物の設定:構造物は整形な鉄筋コンクリート造純フレーム構造で,梁と柱の強度比,階数,スパン数,梁せいを変動パラメータに設定した.(3)部材レベルの非線形地震応答解析:構造物を部材レベルでモデル化し,地震応答解析を行った.特に梁にファイバーモデルを用いて,軸方向変形を考慮するモデルと考慮しないモデルを比較した.隅柱のせん断力は,梁の軸方向変形を考慮しない場合に比べて,1.5倍〜2倍にも上昇し,倒壊安全性に大きな影響を及ぼすことを示した.また,柱の応力増分は,梁せい,スパン数を考慮して大略定量化できることを示した.(4)等価1自由度系+静的解析による応答結果の推定:縮約1自由度系を設定して,地震動パラメータと等価系応答の関係を定式化した.等価系の応答と静的非線形解析により,柱の部材力と変形の応答を推定する方法を検討した.(5)柱応力増分の定量化:梁の軸方向変形が与える柱応力に与える影響を定量化して解析結果の理論的な背景を明らかにするとともに,設計に応用可能な形に整理して提案した.
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 真田靖士・壁谷澤寿海: "梁の軸方向変形による柱のせん断力増分の評価" 第10回日本地震工学シンポジウム論文集. 2563-2568 (1998)
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[Publications] 真田靖士・壁谷澤寿海: "梁の軸方向変形を考慮した鉄筋コンクリート造建物の応答" 日本建築学会大会学術講演梗概集. C-2(IV). 31-32 (1998)
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[Publications] 真田靖士・壁谷澤寿海: "梁の軸方向変形を考慮した鉄筋コンクリート造骨組の応答に関する研究" コンクリート工学年次論文集. 20(3). 37-42 (1998)
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[Publications] 中村友紀子・壁谷澤寿海: "等価減衰を考慮したスペクトルによる応答の推定" 構造工学論文集. 44(B). 313-318 (1998)
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[Publications] 中村友紀子、 壁谷澤寿海: "応答の減衰依存性にもとづく地震時最大塑性変形の推定" 日本建築学会大会学術講演梗概集. B-2(II). 975-976 (1997)
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[Publications] 中村友紀子、 壁谷澤寿海: "地震動特性にもとづく最大塑性変位応答に関する研究" 構造工学論文集. 43(B). 485-492 (1997)
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[Publications] 壁谷澤寿海・中村友紀子: "学校建築の被害と耐震診断指標値および入力地震震動" 「兵庫県南部地震-強震記録と設計用地震動との関係」論文集. 61-66 (1997)
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[Publications] 壁谷澤寿海: "建築構造の耐震性能評価と入力地震動" 「強震動のよる地震災害の軽減をめざして」論文集. 77-80 (1997)
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[Publications] 中村友紀子・壁谷澤寿海: "直下型地震による最大塑性応答変位に関する研究" 第1回都市直下型地震災害総合シンポジウム論文集. 111-114 (1996)
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[Publications] 中村友紀子・壁谷澤寿海: "RC構造の地震時最大塑性応答変形のエネルギー入力速度による推定" コンクリート年次論文報告集. 18(2). 251-256 (1996)
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[Publications] Nakamura, Y., Kabeyasawa, T.: "Estimation of Maximum Displacement Response of Reinforced Concrete Structures Based on Energy Input Rate Spectrum" Transactions of the Japan Concrete lnstitute. 18. 205-212 (1996)