1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08455352
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
定方 正毅 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30011175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原野 安土 群馬大学, 工学部, 講師 (90238204)
大久保 達也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (40203731)
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Keywords | YSZ / Oアニオンラジカル / 四重極質量分析 |
Research Abstract |
O^-を高効率で安価に生成する膜材料および技術が見出されれば、まず、化学工業に於いてベンゼンからフェノールへの一段での酸化、メタンからメタノールへの直接酸化が可能となり、プロセスの単純化、低コスト化が実現できる。またO^-は、酸化剤の中では高活性と考えられるO原子に比べても、COの酸化に関しては、室温10^7倍、NOの酸化に関しては10^2倍酸化速度が高い。したがって、O^-の安価で高効率生成が可能になれば、NO、CO、SO_2など大気汚染物質防除の新しい基本技術になる可能性がある。 本研究では、YSZ面から気相中へのO^-放出のメカニズムを明らかにすると共に、YSZを利用した高効率イオンラジカル生成の可能性を探ることを目的とした。実験にはZrO_2に8%のY_2O_3を固溶させた円筒型のYSZを用いた。金、白金ペーストをYSZ表面に塗布した後、800℃まで加熱して、金属を燃結させた。YSZの陽極側を真空、陰極側を大気解放した状態でYSZから放出された物質を四重極質量分析計を用いて分析、定量した。 YSZ表面温度461〜545℃、印加電圧100〜200VでYSZと空間電極の間にnAオーダーの電流を観測し、電子およびO^-を検出することができた。O^-の生成量は、印加電圧、温度に対して正の依存性を示し、O^-のYSZ陽極からの脱離過程が律速であることがわかった。
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