1997 Fiscal Year Annual Research Report
電子エネルギー差を利用した管内固気二相流の粒子流量計測
Project/Area Number |
08455355
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
増田 弘昭 京都大学, 工学研究科, 教授 (90026310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松坂 修二 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10219420)
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Keywords | Electrification / Gas Solids Flow / Electric Current / Particle Charge / Mass Flow Rate |
Research Abstract |
本研究は、粒子が管壁と衝突するとき電子エネルギー差によって生じる電荷移動を管内固気二相流の粒子流量計測に応用しようとするものであり、本年度は、主として乾式静電粉体塗料(エポキシ粉体)を用いて計測実験を行った。検出管(長さ100mm)には、カーボンを混入した導電性ポリテトラフルオロエチレンとカーボンを混入した導電性ナイロン管を用いた。これらの二つの検出管を絶縁性アダプターによって直列に接続し、各検出管から発生する電流をスキャナーを介して1台の検流計で測定した。なお、検出管と前後の配管は同じサイズであり、固気二相流を阻害するような構造上の問題はない。粒子と検出管との帯電特性ライン(二つの静電気特性の異なる検出管を用いているため、単位質量流量あたりの発生電流と単位質量あたりの電荷との関係を示す一次方程式が二つ作られる)および検出管の電荷収支式から粒子流量を解析的に求めることができ、スキャナーの切替周期にしたがって(ここでは1秒毎に)質量流量を表示させることができる。従来は、検出管は1本であるため、粒子の初期電荷によって非常に大きな計測誤差が生じたり、粒子と壁との静電特性が近い場合には計測できないこともあったが、これらの問題はすべて解消された。本実験では、粉体質量流量を二桁にわたって変化させており、相対誤差は20%以内であった。一般的な流量計測法では、低流量域において相対誤差が大きくなることが多いが、本計測法では全域にわたって安定した性能を示した。鉱物系の粉体の計測精度はこれよりさらに高く、相対誤差は10%以内である(前年度)。これらの結果をまとめると、本計測法は、数ミクロン以上の鉱物系および高分子系粉体の質量流量計測に実用可能であるといえる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 増田弘昭,松坂修二,秋葉 聡,下村浩明: "管内固気二相流における微粉体の帯電現象" 粉体工学会誌. 34・(2). 91-96 (1997)
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[Publications] 増田弘昭,松坂修二,下村浩明: "静電気を領した高分子系粉体の質量流量計測" 粉体工学会誌. 34・(12). 919-923 (1997)
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[Publications] H.Masuda, S.Matsusaka, H.Simomura: "Measurement of mass flow rate of polymer pcivder based on static electrification of parftcles" Advanced Powder Technology. 9(掲載待ち). (1998)
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[Publications] H.Masuda, S.Matsusaka, S.Akiba, H.Simomura: "Electrification of fine particlesingas-solids pipe flow" KONA Powder and parfiole. (15)(掲載待ち). (1998)