1997 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理による農山村地域の流域数値モデルの表現と洪水流出予測への応用
Project/Area Number |
08456118
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
福島 晟 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (90027251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 也寸志 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (80252899)
武田 育郎 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (60227022)
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Keywords | 洪水流出解析 / 流出モデル / 水循環 / 水田流域 / 循環潅漑 / 画像処理 / 雨水浸透 / 土壌間隙 |
Research Abstract |
本研究では、山陰地方の農山村主体の中山間地に視点を置いた議論を展開するため、益田農地造成域、斐伊川流域及び島根大学附属演習林に試験流域を設定した。研究実績の概要は以下のとおりである。1.(1)上記の3試験流域を対象に土地利用形態の特性を反映した定数集中型KiWSモデルを同定し,次年度解析予定の定数分布型KiWS流出モデルによる流出予測に向けて基礎となる有用なモデル定数が評価できた。(2)前年度までに作成したメインフレーム依存の流出解析プログラムを更新し、UNIXシステムによるデータ入力から流出解析及びハイドログラフ出力までの一連の解析・図形出力が可能な流出計算システムが構築できた。本システムの利用により、流出モデルの同定及び観測ハイドログラフの再現性に関してより効率的な検討が可能となった。2.(1)農山村地域における水文循環の素過程を把握するため、斐伊川下流域の循環潅漑水田流域における降水量、河川流量、揚水量等の特性を分析し、1997年度水田潅漑期において他の排水系統から導水される水移動量は、流域内部で循環する水量の30%であり、この量が揚水機場の潅漑水量に影響を及ぼしていることを明らかにした。(2)中山間地の傾斜畑における降雨-流出系の特性せいを把握するための基礎的実験として、傾斜ライシメーターによる水文動態を計測し、浸透流出量は降水量の60%に相当し、また積算降水量がある程度まで達しないと地表流出が発生しないことなどを明らかにした。3.(1)地目別の出水生起場表層部における雨水浸透・排水機構を実用点観点からモデル化するため、試験流域の土壌を非破壊で採取し、ヨウ素トレーサーを用いた水みちの染色、次で3次元画像処理を施す手法による土壌間隙中の水移動に関する基礎的実験・分析法の有用性を確かめた。(2)陽イオン移動を示すNa流出濃度曲線と土壌との関係を明らかにするとともに、画像処理上の留意点を指摘した。
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[Publications] Takeda,I., Fukushima,A., and Tanaka,R: "Non-point pollutant reduction in a paddy-field watershed using a circular irrigation system" Water Research. 31・11. 2685-2692 (1997)