1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08456143
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
杉本 千尋 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (90231373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (90250498)
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Keywords | タイレリア / 赤血球寄生性原虫 / リボヌクレオチド リダクターゼ |
Research Abstract |
核酸生合成系の酵素として重要なRibonucleotide reductaseを構成する2つめサブユニットのうち、小サブユニット(R2)遺伝子のクローニングを行った。T.sergenti牛感染血液からピロプラズマを精製、mRNAを得た。既に塩基配列の知られているT.annulataR2遺伝子からプライマーを設計し、RT-PCRにより遺伝子増幅した。得られたcDNA断片は全長を含んでいなかったため、5′、3′方向へRACE(rapid amplification of cDNA ends)法によって全長cDNAを得た。さらにcDNA断片をプローブとして染色体DNAライブラリーをスクリーニングして、R2遺伝子領域を含むクローンを得た。その塩基配列解析の結果、R2遺伝子には少なくとも2カ所のイントロンが存在することが判った。予想アミノ酸配列のC末端(R1サブユニットとの会合部位)は、宿主のR2分子の構造とは異なっており、合成ペプチドによる阻害が可能であると考えられた。 赤血球侵入に際し赤血球レセプター結合と結合する蛋白質の遺伝子クローニングを B.equi,B.caballiについて行った。すなわち両原虫のcDNAライブラリーから、抗体を用いた免疫スクリーニングによって、前者からは2クローン、後者からは1クローンを得た。塩基配列決定の結果、B.equiの1クローンはグルタミン酸の連続するモチーフを持つ蛋白質蛋白質で、マラリア原虫の表面蛋白質とも構造が共通するものであった。また、B.caballiの1クローンは、赤血球侵入に重要な役割を果たすロプトリ-関連蛋白質であることが判明した。 T.sergentiveilについて、いくつかのバンドを単離してN末端アミノ酸配列を決定したところ、いずれも宿主の蛋白質とのホモロジーは認められず、原虫由来蛋白質であると考えられた。
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