1996 Fiscal Year Annual Research Report
雌性生殖細胞系列の全分化過程を体外培養下で再現可能にする生理活性物質群の同定
Project/Area Number |
08456147
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 英明 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80093243)
|
Keywords | 精子 / 卵子 / 受精 / 初期胚 / 始原生殖細胞 / 精子形成 / 卵子形成 / 体外培養 |
Research Abstract |
生殖細胞系列の全分化過程を体外で再現し、「独立生命体」として生殖細胞系列を成立・維持することを目的として実験を行い、今年度、つぎのような成果を得た。 1)卵母細胞の選択的発育に血管網および血管増殖因子(EGF、グリコサミノグリカン)が関与することを明らかにした。 2)卵巣における退化卵母細胞の除去にFSHおよびマクロファージが関与することを明らかにした。 3)プロジェステロンによる単為発生誘起と紡錘体の動向の関連を明らかにした。 4)AKR/Nマウス胚の2-cell Blockが燐酸によって誘導され、この誘導にcdc2 kinaseが関与することを明らかにした。また、燐酸除去培地で培養した胚が正常に発育することを示した。 5)卵成熟に伴って誘導される膨化卵丘のグリコサミノグリカン構成を解析し、卵子由来因子がヒアルロン酸合成を促進することを示した。 6)c-mos遺伝子産物が卵母細胞の減数分裂から体細胞分裂への移行に係わることを明らかにした。 7)MAPキナーゼの導入により卵核胞崩壊が誘導できることを示した。 8)マウス胎仔の内部構造を非破壊的に観察するMRI法を開発した。 9)卵巣の血管像を軟部組織を残したまま観察するレクチンアンジオグラフィー法を開発した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 佐藤英明: "Effect of oocytectomy on glycosaminoglytan composition during cumulus expansion of porcine cumulus-oocyte complexes" Biology of Reproduction. 55・12. 1299-1304 (1996)
-
[Publications] 佐藤英明: "近未来の動物バイオテクノロジー" 畜産の研究. 51・1. 3-8 (1997)
-
[Publications] 佐藤英明: "Meiotic abnormalities of c-mos knockout mouse oocytes" Biology of Reproduction. 55・12. 1315-1324 (1996)
-
[Publications] 佐藤英明: "Morphological evaluation of microvascular networks and angiogenic tactors in the selective growth of oocytes" Development,Growth Differentiation. 38・4. 291-298 (1996)
-
[Publications] 佐藤英明: "Effects of phosphate on in vitro 2-cell block of AKR/N mouse embryos based on changes in cdc2 kinase activity" Biology of Reproduction. 55・8. 598-603 (1996)
-
[Publications] 佐藤英明: "Hyaluronic acid-binding proteins in porcine cumulus cells:Involvement with cumulus expansion" Biology of Reproduction. (印刷中). (1997)
-
[Publications] 佐藤英明,他19名: "動物生産学概論" 文永堂出版, 369 (1996)