1996 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー炎症修復過程におけるヒト培養肥満細胞と線維芽細胞の相互作用及びその制御
Project/Area Number |
08457235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宮地 良樹 群馬大学, 医学部, 教授 (30127146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒沢 元博 群馬大学, 医学部, 講師 (10170119)
石川 治 群馬大学, 医学部, 助教授 (90168188)
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Keywords | アレルギー炎症 / ヒト肥満細胞 / 線維芽細胞 / リモデリング |
Research Abstract |
1.ヒト培養肥満細胞の機能と多様性 (1)昨年度までに確立したヒト培養肥満細胞の多くはトリプターゼ陽性のMC_Tが約80%であり、トリプターゼとキマ-ゼを含有するMC_<TC>は約20%程度である。 (2)カルシウムイオノフォア、コンパウンド48/80、サブスタンスPなどによる活性化は培養系でもMC_T、MC_<TC>で報告されている通りである。 (3)IgE感作によるヒスタミン遊離は急峻で、5-30分で約70%のヒスタミンが遊離される。 (4)細胞あたりのヒスタミン含有量は約9pgである。 (5)MC_TからMC_<TC>へのスイッチにはnelve growth factor(NGF)が介在している可能性がある。 2.肥満細胞症の多様性 (1)色素性じんましん患者皮膚で増加しているのはMC_<TC>であるが、全身性肥満細胞症で増加しているのは皮膚も他臓器と同様MC_Tである。したがって前者は過誤腫的であり、後者はサイトカイン依存性の増殖であると考えられる。 (2)治療としてH1,H2ブロッカーの併用、シクロスポリンなどが有用である。 3.ヒト肥満細胞と線維芽細胞の共生培養 (1)活性化肥満細胞との共存により、線維芽細胞の増殖能、コラーゲン産生が亢進する。 (2)活性化肥満細胞由来因子としてはトリプターゼが最も強く関与するものと思われる。 (3)線維芽細胞由来stem cell factor(SCF)やNGFによるヒト肥満細胞の増殖と分化が制御されている。 (4)これらの結果より、アレルギー炎症修復過程においては線維芽細胞と肥満細胞との相互作用が重要と考えられ、リモデリングのモデルとして好適と考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Motohiro Kurosawa: "CV6209 inhibits airway wall thickening and airway hypersensitivity to histamine induced by intravenous administration of platelet activating factor in guinea pigs." J Lipid Mediators Cell Signalling. 13. 139-149 (1996)
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[Publications] Yasushi Igarashi: "Characteristics of histamine release from cultured human mast cells." Clin Exp Allergy. 26. 597-602 (1996)
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[Publications] Yoshiki Miyachi: "Mast cells in clinical dermatology" Aust J Dermatol. (in press).
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[Publications] Motohiro Kurosawa: "Heterogeneity of mast cells in mastocytosis and inhibitory effects of ketotifene and ranitidine on the mediators in an indolent systemic mastocytosis." J Allergy Clin Immunol. (in press).
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[Publications] Osamu Ishikawa: "Morphological and biochemical analyses on fibroblasts and self-produced collagens in a novel three-dimensional culture." Br J Dermatol. 136. 6-11 (1997)
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[Publications] 宮地良樹: "アトピー性皮膚炎と肥満細胞" アレルギー科. 1. 370-379 (1996)
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[Publications] 宮地良樹(共編著): "専門医が語るアトピー性皮膚炎" 医学書院, 167 (1996)
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[Publications] 宮地良樹(編著): "アトピー性皮膚炎治療-最新のトピックス" 先端医学社, 226 (1996)