1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08457412
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Research Institution | Kyoto prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
重見 研司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00206088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 宗孝 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (50275228)
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Keywords | 心肺蘇生 / 心電図 / 組織炭酸ガス分圧 / 心室細動 / 心マッサージ / エピネフリン / 直流除細動 / 周波数解析 |
Research Abstract |
本年度は、1)心室細動の波形解析とその経時的変化、2)蘇生時の経皮的炭酸ガス分圧の経時的変化、3)前胸部圧迫のみの蘇生で生じる換気量の検討を行ってきた。心室細動については、その波形と蘇生の正否の相関を重視しながら解析した。蘇生に成功した群の心室細動波形は、電位が大きく、パワースペクトラムでは12Hzに主峰が存在した。電位については、電極装着状況や患者の体格等により絶対値が変化するのでその評価には工夫が必要である。また、蘇生の成功には、直流除細動により洞調律に復帰した群と、心マッサージあるいはエピネフリン投与下の心マッサージにより自己心拍の再開を得た群れがあったが、これらの群間に心室細動の波形に差があるのか現在検討中である。直流除細動は、電気的物理的に心筋に障害を与え、意識のある患者では大きな苦痛を伴うので、これを施工することなく除細動でき自己心拍の再開が得られる群れを、心室細動の波形解析から抽出できる意義は非常に大きい。経皮的炭酸ガス分圧については、80mmHg以上では有意に蘇生率が低下することが既に明らかとなり、本年度は実用面に重点を置き、測定プローブを摂氏37度に加温した群と皮膚表面温度の群とに測定値に差があるかについても検討した。その結果、加温の必要はないが、平衡に達するのに約10分必要であった。例えば救急隊到着時にすぐ装着してその測定結果から心停止後の経過時間や蘇生の可能性を予測する等の実用面では、1分以内に測定できるのが理想的であるが、そのためには工夫の余地がある。前胸部圧迫のみの蘇生時の換気量については、現在データの解析途中である。動物実験では、特にアクティブコンプレッションデコンプレションの手技を用いると大きな換気が得られたが、今後、ヒトにおいても人工呼吸をせずとも心マッサージのみで有効な換気が得られ、蘇生率の低下が無いことを証明する必要がある。
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Research Products
(1 results)