1996 Fiscal Year Annual Research Report
低温菌酵素の特性に基づく食品中の低温細菌の特異的増殖抑制に関する研究
Project/Area Number |
08458005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
横井川 久己男 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (60230637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 弘康 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80026525)
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Keywords | アラニンラセマーゼ / 増殖抑制 / 食品衛生 / 低温細菌 |
Research Abstract |
食品中の低温菌の増殖抑制を、その生育に必須な酵素(アラニンラセマーゼ)の阻害や変性により行うことを目的とし実験を行った。低温菌由来アラニンラセマーゼは、常温菌や好熱菌由来の本酵素に比べて、有機溶媒、変性剤、界面活性剤等により、容易に不活性化されることが判明した。そこで、まず、アルコール類について、低温菌の増殖に対する効果を調べた。アルコール類として、メタノール、エタノール、1-プロピルアルコール、2-プロピルアルコール、1-ブチルアルコール、t-ブチルアルコールを選び検討したところ、炭素数が多いアルコールほど高い増殖抑制作用を有し、また、同じ炭素鎖でも1級アルコールが2級、3級アルコールより高い増殖抑制作用を示した。従って、疎水性の高いアルコール類ほど高い増殖抑制効果を示すと考えられた。また、種々の温度で培養した低温菌に対するアルコールの増殖抑制効果を調べたところ、培養温度が低いほどアルコールに対する感受性が高いことが明らかとなった。食品への適用が可能と考えられるエタノールについて、さらに詳細に検討したところ、この現象は常温菌の場合にも観察された。現在、他の物理化学的因子についても検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kumio YOKOIGAWA: "An Alanine Racemase Gene as a New Index for detecting Escherichia coli in Foods." Biosci.Biotech.Biochem.60巻. 1799-1804 (1996)
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[Publications] Yoko MURAKAMI: "Lipid Composition of Commercial Bakers′ Yeasts Having Different Freeze-tolerance in Frozen Dough." Biosci.Biotech.Biochem.60巻. 1874-1876 (1996)
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[Publications] Kumio YKOIGAWA: "Electrophoretic Karyotypes of Commercial Freeze-tolerant and Freeze-sensitive Bakers′ Yeasts." J.Home Econ.Jpn.48巻(in press). (1997)