1996 Fiscal Year Annual Research Report
伝承的に食品保存の目的で利用されてきた植物の探索と機能の解明
Project/Area Number |
08458008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中谷 延二 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (10011941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小西 洋太郎 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (70116812)
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Keywords | 食品保存 / 抗酸化性 / 熱帯食用植物 |
Research Abstract |
本研究は、伝承的に用いられてきた食品保存の手法のなかで、とくに食品を包むという行為に着目し、これまでに用いられてきた植物の調査を行い、その保存効果を発現する活性成分を明らかにすることを目的とする。 植物の葉などでモチ、飯、菓子、肉類、魚類を包む習慣は、古くから伝えられてきた民族や地域の固有の食文化であり、これを文献等によって調査した。その結果、日本で用いられてきたハラン、カキ、サクラの葉、タケ皮およびフィリピン産のバナナ、パンダンの葉などを選抜した。これらの乾燥物を溶媒抽出し、分画した。各分画物に関してロダン鉄法、TBA法で抗酸化活性を測定したところ、すべての植物の酢酸エチル溶解区分に強い活性を認めた。現在、活性成分の精製、単離を行っており、次年度へ継続する。 一方、古い伝統をもつ高温、多湿の沖縄に赴き、八重山群島(石垣島、西表島)において食習慣に関する調査を行った。琉球大学熱帯生物圏研究センター、国際農林水産業研究センターの協力により熱帯植物に関する情報を得、また土地の古老に聞き取り調査を行い伝統的食素材に関する知見を得た。これらの情報に基いて両島においてゲットウ(沖縄名サンニン)オキナワサルトリイバラ(サンキラ)、リュウキュウバショウ(シマバサ)などを採集した。沖縄産植物の活性スクリーニング、活性成分の単離と化学構造の解明は次年度以降とする。
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