1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08554020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠原 久典 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50132725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 正明 真空治金(株), UFP部, 主任研究員
菅井 俊樹 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50262845)
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Keywords | 極超微粒子 / フラーレン / 単層カーボンナノチューブ / パルスアーク放電 / 高温電気炉 / 質量分析 / HPLC分析 |
Research Abstract |
今回新たに開発した装置を用いて、冷却ガス中でのアーク放電を用いて穏やかに炭素を蒸発させるため、レーザー蒸発法など既存の手法では生成できなかった巨大フラーレン類およびナノチューブを生成することに成功した。次に、アーク放電の時間・空間分解測定を行うことにより極超微粒子の生成過程に関する重要な知見を得た。また、今まで解明されなかったグラファイトのパルスアークによるフラーレン、ナノチューブの生成機構を解明する重要な結果を得た。以下に研究実績の概要を箇条書きにする: (1)この装置は、半値幅60msのパルスジェットを生成するJordan社製パルスノズルと、XYZステージ上で移動が可能であるアーク放電部で構成される。アーク放電部は冷却気体導入パルスノズル(ジェネラルバルブ社製)、放電電極、放電容器で構成されている。最大パルス幅は10ms、アーク電圧は20Vであった。また、装置全体は高温電気炉(1,200度まで)の中に設置されている。 (2)通常の直流アーク放電現象と異なり、パルスアーク放電では、プラス電極からの電子放出量が少ないためマイナス電極の表面温度が、グラファイトの昇華温度(3,500度)まであがらない。このため、マイナス電極が消耗されることはなかった。一方、パルスアークにより、バッファーガスHeやArガスがイオン化され、これらのイオンがマイナス電極の表面をスッパッターすることにより、フラーレンやナノチューブを生成する。ただし、フラーレンやナノチューブは800度以上の高温の温度範囲でのみ観測された。これは、フラーレン、ナノチューブの生成にはアニーリングが必要なためであることが解明された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.J.S.Dennis: "Production,Isolation of Group2 metal Metallofulleran" Appl.Phys.A. in press. (1998)
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[Publications] T.J.S.Dennis: "Isolation and Characterization of Two Isomers of C_<84>" J.Chem.Soc.Chem.Commun.in press. (1998)
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[Publications] T.Sugai: "Production and Mass Spectroscapic Characterization" Chem.Phys.Lett.281. 57-62 (1997)
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[Publications] X.-D.Wang: "Two-Dimentional Domain Boundary Segregation" Z.Phys.Chem.202. 117-125 (1997)
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[Publications] T.J.S.Dennis: "Production and Isolation of Endo hedral Srand" Chem.Phys.Lett.278. 107-110 (1997)
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[Publications] M.Takata: "Structure of Dimetallofullerenes Sc_2@C_<84>" Phys.Rev.Lett.78. 3330-3333 (1997)
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[Publications] 篠原久典: "フラーレン化学と物理" 名古屋大学出版会, 283 (1997)
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[Publications] H.Shinohara: "Advances in Metal and Semicanductor Cpusters" JAI Press Inc.(USA), 310 (1998)