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1997 Fiscal Year Annual Research Report

古建築の保存を目的とした石材強化保存用合成樹脂の物性評価

Research Project

Project/Area Number 08555149
Research InstitutionNational Research Institute for Cultural Properties, Tokyo

Principal Investigator

西浦 忠輝  東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター環境解析研究指導室, 室長 (20099922)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 肥塚 隆保  奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター・遺物処理研究室, 室長 (10099955)
木川 りか  東京国立文化財研究所, 保存科学部・生物研究室, 研究員 (40261119)
朽津 信明  東京国立文化財研究所, 国際センター・環境解析研究指導室, 研究員 (50234456)
松本 修自  東京国立文化財研究所, 国際センター・保存計画研究指導室, 室長 (80099960)
Keywords古建築 / 石材強化 / 合成樹脂 / 文化財保存
Research Abstract

現在石造古建築の保存、修復に用いられている石材強化保存用合成樹脂および近年開発された新しい合成樹脂の基本的な物性、即ち、石材への浸透性、石材への凝集力の付与効果(強化力)、処置効果の持続性(耐久性)等についての実験室および実験フィールドによる評価試験を行っている。昨年度行った基礎物性試験により、良好な効果が得られた数種のシリコーン樹脂溶液、アクリル樹脂溶液、エポキシ樹脂溶液について、さらに試験を行った。浸透性については、石材がかなりの水分を有している場合について、石材の含有水分量と樹脂溶液の浸透性との関係を調べた。強化力については、樹脂の含浸深さと強化改善効果との関係を調べた。また、樹脂処置後の石材の気体透過性の変化を水蒸気透過性を指標として調べた。さらに、樹脂処置効果の持続性については、種々の劣化促進処理を行って比較検討した。実験フィールドにおける現場作業性試験では、特に表面からの樹脂溶液の浸透性と強化力について調査した。以上の試験の結果、得られた主な知見は以下の通りである。
・含水状態にある石材への浸透性は、溶剤タイプが水溶性タイプに比べて格段に優れており、また、粘度の影響が大きい(粘度が低いほど浸透がよい傾向がより高まる)。
・樹脂溶液を毛細管現象で表面から浸透含浸させた場合、一般的に外側面において石材の強度がより高まる傾向にある。これは、溶剤の揮発に伴う樹脂分の外側面への移動によるものと考えられる。従って、樹脂濃度の低い(溶剤分の多い)溶液にその傾向が大きく、本試験ではアクリル樹脂、エポキシ樹脂が該当する。
・樹脂処置後の水蒸気透過性は、撥水性シリコーン樹脂の場合にかなり低下する。これは水蒸気が石材内で一旦液体化するためとも考えられ、さらに実験を継続中である。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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