1997 Fiscal Year Annual Research Report
最小侵襲用顎関節手術のための処置用チャンネル付細経顎関節鏡の開発と臨床応用
Project/Area Number |
08557117
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Research Institution | OSAKA DENTAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
覚道 健治 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30131379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 愛子 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (50140215)
栗田 賢一 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (40133483)
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Keywords | 顎関節 / 関節鏡 / ファイバー / 鏡視下手術 / 関節鏡視下手術器具 |
Research Abstract |
処置用チャンネル付関節鏡の概念は膝関節では実用化されているものの,顎関節ではレンズ型関節鏡の実用的解像力の保持のため,小型化に限界があり,大西の考案した楕円形の断面を持つ3.8X2.0mmの口径が最小であった.この大きさでは,顎関節症の進展例では関節腔の狭小化のため使用が困難であり,利用範囲に制限が認められ,実用化されるには至っていない.一方,ファイバー型関節鏡は,従来単位断面積あたりの画素数に制約があったため,小型化できるものの実用的解像力に難点があった.最近,従来の単位断面積あたりの画素数が5倍(15,000画素)となる高密度なファイバーが開発された.そこで,この技術を応用し,平成8年度は,従来より汎用されているストライカ-社製顎関節鏡の外套管(φ2.9mm外径)の口径,長さおよびコネクター部の形状を同一にし,同関節鏡と関節鏡同士の互換性を可能にする処置用チャンネル(φ1,1mm)付細経顎関節鏡の設計ならびに試作を行った.さらに,眼科マイクロ手術用器具にヒントを得て,処置用チャンネル内に挿入可能な関節鏡手術用鉗子,剪刀,プローベ,電気メスを試作した.解像度および焦点深度試験から最適焦点深度を5.5mmとした.平成9年度は,試作した処置用チャンネル(φ1,1mm)付細経顎関節鏡の臨床応用を試みた.関節円板の癒着をともなった顎関節症に用いたとき,ダブルパンクチャー法に比較して,操作は容易であった.また,上関節腔内に発生した滑膜軟骨腫症に用いたとき,軟骨腫の小瘤体を有視下で容易に捕捉することが可能であった.
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