1997 Fiscal Year Annual Research Report
分子レベルでの解析を基盤とする第四世代カルシウム拮抗薬の創製
Project/Area Number |
08557138
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
名畑 博之 中外製薬(株), 創薬研究所, 所長
豊島 近 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70172210)
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 教務員 (90241348)
川野 誠子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (00177718)
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部, 助教授 (60176203)
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Keywords | Ca拮抗薬 / 光アフィニティラベリング / 薬物結合部位 / 新規化合物 / 精密合成化学 / 抗ペプチド抗体 |
Research Abstract |
有効な循環器疾患治療薬として臨床で汎用されているCa拮抗薬は、現在においてもなお組織選択性、薬効持続性の点での改良が続けられており、第二、第三世代Ca拮抗薬が開発されるに至っている。我々はこれまでに、代表的な3つのCa拮抗薬の内2つを、光アフィニティラベル法を中心とした生物有機化学的手法を駆使することにより明らかにした。本研究ではこの成果を活かし、生化学、精密合成化学、分子薬理学、電気生理学、コンピューター支援ドラッグデザイン、結晶構造解析学の専門家を組織することによって、組織選択性、薬効持続性ともに優れた、"第四世代"ともいうべき新規のCa拮抗薬を開発することを目的に研究を進めているが、本年度得られた知見を以下に要約する。 平面化学構造上ではジルチアゼム型薬物に類似しているが、従来のCa拮抗薬にはない長期持続性をもつ新規化合物セモチアジルの光ラベル用試薬[^3H]FNAKを合成し、これを用いて骨格筋Caチャンネル上での結合部位を明らかにした。それはリピートIVのセグメント6を含む領域であり、従来の3つのCa拮抗薬結合部位と一部重なり合う近接した部位ではあるが、完全にはオーバーラップしていないことがわかった。薬理学的に、セモチアジルと他の3つのCa拮抗薬の間にみられるアロステリック相互作用も、この構造解析の結果でよく説明できた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M. Akao, et al.: "Myocardial ischemia induces differential regution of K_<ATP> channel gene expression in rat hearts" J. Clin. Invest.100. 3053-3059 (1997)
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[Publications] S. Takeda, et al.: "Adenosine 5'-triphosphate binding to bovine serum albumin" Biophys. Chem.70. 175-183 (1997)
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[Publications] M. Nakayama, et al.: "Hydroxamide as a cherating molety for the preparation of ^<99m>Tc-radiopharmaceuticals. III." Appl. Radiat. Isot.48. 571-577 (1997)
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[Publications] L. -C. Xu, et al.: "Synthesis and evalution of hydroxamide-based tetradendate Ligands as a new class of thiol-free chelating molecules" Nucl. Med. Biol.25(印刷中). (1998)
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[Publications] A. Kuniyasu, et al.: "Photochemical identification of transmembrane segment IVS6 as a binding region of semotiadil" J. Biol. Chem.273. 4635-4641 (1998)
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[Publications] 國安明彦ら: "Caチャンネルの分子構造と機能相関" 心臓. 30. 71-76 (1998)
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[Publications] 中山仁: "医系薬理学(遠藤仁, 橋本敬太郎, 後藤勝年・偏著)" 中外医学社, 562 (1997)