1996 Fiscal Year Annual Research Report
新規経口糖尿病薬発見のための簡易スクリーニング系の開発
Project/Area Number |
08558074
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
蛯名 洋介 徳島大学, 酵素科学研究センター, 教授 (00112227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 美彦 大塚製薬株式会社, 徳島研究所, 研究員
岸 和弘 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助手 (70284320)
林 日出喜 徳島大学, 酵素科学研究センター, 助教授 (10218589)
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Keywords | 糖尿病 / GLUT4トランスロケーション / 非アイソトープ測定 / 三量体Gタンパク |
Research Abstract |
従来までの糖尿病治療薬のスクリーニングは動物固体を使い血糖降下作用やインスリン分泌能を検討したり、糖尿病モデル動物を用いての血糖降下作用、ラット副睾丸より取り出した脂肪細胞を用いての糖取り込み促進作用など、多くの物質を簡単にスクリーニングすることが困難な方法を用いていた。しかし本研究ではごく小量の培養細胞で、GLUT4のトランスロケーションを簡単に測定できるため、多くの化合物の一次スクリーニングが短期間で行なえるので、新しいタイプの治療薬が発見できる可能性が高い。事実、我々の細胞系では三量体Gタンパクを活性化するNaFやProtein kinase Cを活性化するPMAなどの低分子物質を作用させることによってもGLUT4のトランスロケーションが起こることを確認している。この事はこの細胞系を用いればGLUT4のトランスロケーションを引き起こす新規低分子物質の発見が可能であることを示している。 我々がこのmycエピトープのtagを付けたGLUT4のトランスロケーションを検出するユニークなシステムを発表した後、多くの企業より、糖尿病薬のスクリーニング系に利用できないかとの問い合わせがあった。しかし従来まではアイソトープを用いたassay法であったこと、脂肪細胞がクローンとして不安定であることなどの問題点があった。そこで本試験研究により、我々が開発した研究用の系を、非アイソトープを用い、かつ高感度な糖尿病薬の一次スクリーニング系として実用化できるように改良することを目的とした。 そして発光測定により96穴のプレートでGLUT4mycのトランスロケーションが測定できることが明らかとなった。またGLUT4mycのトランスロケーションはインスリンとは全く無関係に三量体GタンパクのGqやGi(レセプターによる)を活性化しても起こることを明らかにした。この事実は血糖調節のインスリン以外の化合物による可能性を示したものであり、糖尿病薬の開発に結びつくものとみられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kishi,K.,Ebina,Y.et al.: "Gq-coupled receptors transmit the signal for GLUT4 translocation via an insulin-independent pathway" J.Biol.Chem.271. 26561-16568 (1996)
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[Publications] Todaka,M.,Ebina,Y.et al.: "Roles of insulin, guanosine 5'-[γ-thio]triphosphate and phorbol 12-myristate 13-acetate in signaling pathways of GLUT4 translocation" Biochem.J.315. 875-882 (1996)
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[Publications] 蛯名洋介: "化学と生物「インスリンによる細胞内へのグルコース取り込み促進機構」" 日本農芸化学会編集 学会出版センター発行, 2 (1996)