1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08559002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 真奈美 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80188341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 博 (株)日本ハム, 中央研究所, 研究員
三井 洋司 通産省工業技術院, 生命工学工業技術研究所, 首席研究官
田中 朝雄 東海大学, 医学部, 助手 (50192175)
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Keywords | シャガス病 / クルーズ・トリパノソーマ / エンドセリン / 腸管神経節 / 異種生物間情報伝達 |
Research Abstract |
シャガス病は、中南米に広く分布する寄生原虫クルーズ・トリパノソーマの感染によって、心筋炎、血管炎、巨大結腸症を引き起こす慢性疾患で、現在2千万人以上の患者が認められている。しかし、分布する神経節細胞等への選択的障害の原因や発症機序が不明で、従って治療法も未開発であり、その解決は、緊急、かつ重要な課題となっている。本研究は、この様な腸管神経節細胞の異常と腸管収縮の喪失(巨大結腸症)が、血圧上昇ホルモン・心筋細胞拍動誘起物質であるエンドセリン(ET)の神経節細胞内での発現異常またはその受容体の機能喪失に起因すると着想、これを具体的な実験から実証することを目的とする。研究実績は以下の通り。 1)トリパノソーマよりのエンドセリン(ET)遺伝子検出;トリパノソーマゲノムライブラリー、cDNAライブラリーより、ETリセプターBの遺伝子配列を用いて、関連遺伝子の検出を行い、いくつかの陽性クローンを得た。遺伝子バンクに登録の上、構造上の特徴及び機能解析を開始した。 2)神経細胞との共培養系の確立;神経細胞株P12を用いてトリパノソーマとの共培養系は成功した。しかし、長期培養にて、P12細胞内で寄生体の感染形への形態変換率を観察したが30%内外と低く、求める遺伝子の生体機能解析の実験室内モデルに用いるには、さらなる工夫が必要であり、現在試験中である。 3)invivoにおける遺伝子機能検定;1)で解析中のトリパノソーマET関連遺伝子について、遺伝子改変寄生体を作成、マウスに感染させてその生体機能を観察中である。 4)モノクローナル抗体を用いた異種生物間情報伝達物質の検索;筑波大学山本三幸博士より供与された、マウス脳(ニューロン)モノクローナル抗体CESは、大脳錐体層、心筋細胞、及びトリパノソーマを認識する。本研究の趣旨に従い、この抗体を用いて、それぞれの遺伝子ライブラリー構造上の特徴及び機能解析を開始した。しかも、この抗体は免疫染色法による検索の結果、小脳プルキンエ細胞、視床下部の特定領域を認識しており、その脳神経系(中枢系及び末梢神経系-自律神経節)発生に関わる機能に注目している。脳神経系(中枢系及び末梢神経系-自律神経節)発生異常ミュータントマウスを用いて機能解析を進めている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tanaka M.,et al: "Schistosoma mansoni Genome Project Network" Parasitology Today. (in press). (1996)
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[Publications] Franco.G.R.,et al: "Choracterization of a Schistosoma mansonigeneencoding a homeloque of the r box binding protein" Gene. (in press). (1996)
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[Publications] Franco.G.R.,et al.: "Cloning and characterization of a Schistosoma nansoin honologue of the gere encoding the breact basic conserved protein I/L 13." Mol.Biochem.Parasitol. (in press). (1996)
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[Publications] Hirai et al.: "Detterences in male chiasma frequency between two human blood flukes,Schistomnc mansons & S.japonian" Genes Genet.Cyst.71. 181-188 (1996)
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[Publications] Tanaka,M.,et al: "Proceedings of Schistozoma genome Project/96" Mem.Inst.Oswald Cruz.(in press). (1996)
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[Publications] Tanaka,M.,et al: "Vresco Symposia'96/Parasite Genome Project" UNESCO/WHO(in press), (1996)
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[Publications] Tanaka,M.,et al: "Antigens and Moleales of the Parasites II" WHO/FIOCRUZ(in press), (1996)