1996 Fiscal Year Annual Research Report
「『ケア』のテーマをめぐる葛藤の解決と『関係における自己』の面接」の開発
Project/Area Number |
08610144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
無藤 清子 東京女子大学, 文理学部・心理学科, 助教授 (10174244)
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Keywords | 関係における自己 / ケア / 女性 / 成人期女性 / 半構造的面接 |
Research Abstract |
成人女性が、どのような過程で、どのような要因によって、自我同一性を再構成するか、さらには、自我同一性を検討するにあたって重要な視点であると考える「関係における自己」が女性においてどのように現れたり形成されたりするかを明らかにするのが、長期的目的である。そのために、ケアのテーマをめぐって、どのような葛藤があるが、葛藤の内容と様相、および、それらの葛藤に対する認知の仕方や、対処・解決の仕方について、詳細に把握するための、半構造的面接の面接ガイドを作成した。ケアのテーマをめぐる葛藤や「関係における自己」は、それ自体を既に意識化されているものとして扱うことは必ずしもできないという点に困難がある。そこで、架空の葛藤喚起的エピソードを示して、その場面での被面接者の想定上の行動を問う形式と、被面接者自身の実生活での葛藤を語ってもらう形式を用いる面接ガイドを作成した。これは、特にケアのテーマのめぐっての女性の発達における「関係における自己」を、いかにして取り扱うかに工夫をしたものである。 予備面接を実施し、半構造的面接の構成についての検討を行った。 数十名の被面接者への半構造的面接のプロトコルの分析からは、ケアのテーマをめぐる葛藤を取り扱うためには、各人の実生活上の葛藤状況を想起し語ってもらうことが有効であると考えられる。
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