1996 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌患者に対して与えられるインフォームド・コンセント前後に及ぼすパーソナリティ変容
Project/Area Number |
08610149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
浜 治世子 同志社大学, 文学部, 教授 (60066107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大垣 和久 京都警察病院, 副院長外科部長
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Keywords | インフォームド・コンセント / 告知 / 乳癌患者 / ロールシャッハ・テスト / 生検 / 気分尺度 / ボディ・イメージ / 死の受容 |
Research Abstract |
インフォームド・コンセントとは、医者が癌の病名と病状の真実を患者に充分説明し、患者がその内容を熟知して同意することを指す。和訳は告知である。本研究では病名告知に伴う乳癌患者の心理的適応について症例をあげながら考察することを目的とした。乳癌患者を対象とした理由は、病名告知が症状のステージの如何にかかわらずほぼ100%可能であることと、治療過程が比較的一定であることである。患者は京都警察病院外科に受診に来た乳癌患者(女性)で、全員医者による診断(触診)を受けた。1996年の4月から12月までに受診した人は90名で平均年齢44.9歳(標準偏差12.38歳)年齢範囲は21歳から70歳であった。 測定の流れ 1)初診時患者は診察前に問診票と初診時用質問紙に記入する。ロールシャッハ・テスト施行。最後に医者による触診が行なわれ、悪性腫瘍が疑われる場合のみ生検を受けた。2)2回目診察時生検を受けた患者は1週間後に来院し、2回目の質問紙に記入。そのあと医者から告知を受けた。3)入院時入院日に医者による病状説明を受けた後。手術前の質問紙と面接が施行された。4)手術後手術後5日目から5日ごとに患者に気分尺度を施行。5)退院前退院前の面接と質問紙を施行。 測度 1)質問紙と面接用項目テスト、2)気分尺度、3)対処スタイル。4)パーソナリティ質問紙、5)ロールシャッハ・テスト 結果 測定の過程のすべての手続きを終了した患者の中から6名を選択し各測度を中心に考察した。また面接の結果も詳細に分析した。その結果、患者は手術前まではネガティブな気分が高いが、手術後は次第に減少することが分かった。また乳癌になったことでBody image、家族関係、人生観などに大きな変から見られた。また告知は患者が心身の状態が良好な時に死の受容との関連から行うことが望ましいことが明らかとなったな。
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Research Products
(2 results)