1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610174
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
深澤 建次 埼玉大学, 教養学部, 教授 (50165247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花崎 泰雄 埼玉大学, 教養学部, 講師 (50302500)
福岡 安則 埼玉大学, 教養学部, 教授 (80149244)
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Keywords | アイデンティティ / エスニシティ |
Research Abstract |
過去3年間でわれわれは、埼玉大学に在学する外国人留学生30名に、テープレコーダーを使用した、留学生の母語による、生活史的な聞き取り調査を実施してきた。国籍の内訳は、中国16(台湾2を含む)、オーストラリア6、韓国5、アメリカ、インド、スペイン各1名である。一人あたりの調査時間は、2時間前後である。そして母語で聞き取りした録音テープを邦訳してトランススクライブし、聞き取りに参加した留学生の大学院生、学生を4〜5名とともに、一月一回のペースで研究会を開いて検討を加えてきた。 予想通り、アジアからの留学生が抱える問題は、オーストラリアからの留学生とは対照的に,深刻である。公的な支援なしに、自費で来日する彼らの抱える問題は、生活費の捻出という経済的問題に限らず、日本人のアジア諸国に対する無知・無理解・偏見差別にまで及ぶからである。実際、彼らの少なからずが、たとえば、アパートやアルバイトを探す際に、家主、雇い主から差別的な対応を経験している。また、日本人学生のアジア諸国に対する無知・無理解も、彼らの学生生活を厳しいものにしている。日本人学生との交流を思うようにはがれない、彼らの苦悩がうかかがわれる。夢を抱きつつ、苦労して来日しても、これでは留学の意義も半減してしまうであろう。 国際化が叫ばれつつも、われわれの内なる国際化は、一向に進んでいないように思われる。 彼がわれわれに提起する問題を真摯に受けとめる形で、報告書を作成することが、われわれの課題である。
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