1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
緒方 行廣 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (50147675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 泰伸 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (50199345)
相座 昭夫 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20159255)
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Keywords | 2項対立 / 有機的結合 / 範域 / 海の文化 / 英語口語 / ゆいま-る / 共同店 / 聖地巡礼団 |
Research Abstract |
研究の目的と今年度得られた知見 1.外来文化と在来文化の有機的結合について 研究対象地域の沖縄は在来文化としての琉球と外来文化としての沖縄を持っている。これは歴史的に作られたものである。この双方の現代的結果は、ホンネとタテマエなどと同様、一個人の中で2項対立的に存在するが、表面的にはTPOに添った他人を基準とした行動様式として現れている。またこの他者によって変わる行動様式は集団行動原理としても作用している。この他者への想いが有機的な結合を生み出している。 2.文化領域について 島嶼である沖縄は、太平洋島嶼地域と同様、本来海を基盤としていたが、東南アジア、中国、朝鮮半島、日本の影響によって陸に縛られなければならなくなった。しかし、現在も彼らの範囲は集落及びその周辺の特微的な自然のみに限られており、飲料水としての泉を大切にするなど海の文化に基づく領域が大きな比重を占めている。 3.沖縄の言語について 沖縄の現在の言語は、"古琉球"と"大和ゆ"と"アメリカゆ"の中で揺れ動いている。"復帰"が及ぼした影響は負の方向に動いているようである。「田舎に行けばいくほど標準語が多くなる」という現状は辺境-中心構造である。また、都市部では英語口語が日常語の中に存在し、カタカナ表記されている。 4.インフォーマル組織について 沖縄では「ゆいま-る」が盛んである。また、聖地巡礼団があり、山原地方の集落には「共同店」という集落成員全員の出資による商店もある。これらは、基礎集団として沖縄社会の構造の一つとなっている。 以上については1997年度国際地域開発学会において、分担者各自が発表する予定である。
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