1997 Fiscal Year Annual Research Report
親のための自閉症児早期教育プログラムの開発とそれに基づく臨床的事例研究
Project/Area Number |
08610289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai Women's University |
Principal Investigator |
白幡 富夫 東海女子大学, 文学部, 教授 (00162777)
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Keywords | 自閉症 / 早期教育 / ポ-テージプログラム / TEACHプログラム |
Research Abstract |
既に開発した「親のためのダウン症児早期教育プログラム」の成果をいかすために、まず、ダウン症児との比較を通して自閉症児の特徴を明らかにすることをめざした。その結果、「親のための自閉症児早期教育プログラム」を開発する上で、考慮しなけらばならない自閉症児の特徴を明らかにすることができた。要点を列挙すれば、以下の通りである。 (1)2才前の発見が困難である。(2)アイコンタクトが乏しい。(3)模倣力が弱い。(4)社会性に乏しく、他人を避けたり、無視したりする(相手の気持ちを共感できなかったり、相手の感情に反応しない)。(4)環境の変化(新しい人、場所、食べ物等)に抵抗したり、それを拒否したりする。(5)みたて遊び(ままごと等)ができない。(6)反復的、儀式的行動(常同行動)が見られる。(7)興味の範囲が極めて狭い(他人のしていることに関心を示さない)。(8)興奮・混乱状態(パニック)になることがある。(9)飲食物、拍手、ほめ言葉等の一般的な強化子が通用しない場合が多い。(10)特定の触覚刺激に過敏(頭をなでられるのを嫌う等)であったり、鈍感(きたない物を平気でなめる等)であったりする。(11)聴覚刺激に過敏(少しの物音に気が散る等)であったり、鈍感(言語指示が入りにくい等)あったりする。(12)視覚刺激(光の点滅等)を好んだり、視覚教材(絵カード等)によく反応する。(13)どこから始め、次は何か、いつ止めるかの見通しがつかない。(14)メタ認知ができない。(15)タイムアウトの効果が期待できない。(16)般化が難しい。 したがって、その子特有の強化子を見つけ、新しい場面、新しい人、新しい教材を一つひとつ、視覚的構造化をはかりながら教えていくプログラムを開発していかなければならない。
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