1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610317
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF DESIGN |
Principal Investigator |
松永 建 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (40040993)
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Keywords | 福岡県 / 神楽 / 伝承 / 保持組織 / 芸能的特徴 |
Research Abstract |
1 調査研究実施状況 福岡県各地の神楽社(講、座)については、過年度に筑前系の伏見神社岩戸神楽ほか約10ヵ所・築城郡内では赤幡神楽ほか約5ヵ所の録画等の取材を行い、平成8年度には豊前系神楽社のうち豊前市の大村、黒土、山内、三毛門の四神楽社の録画記録と資料収集を実施した。本年度は旧藩政期の豊前国に含まれる大分県北部の中津市、宇佐郡および下毛郡等の映像記録資料収集を主とする調査を行なった。また福岡県の神楽との比較研究の目的で、長崎県平戸神楽の録画取材と大分県の諸系統の神楽の文献調査を実施した。 2 収集資料の整理状況 本年度は、福岡県の神楽記録、すなわち神楽社の保存維持に関すること(保存会組織等)、神楽成立の文献的検討、演目、伝承状況、衣装・装束、道具の種類、面、音楽(楽=はやし)等の詳細な基本資料の作成を可能な範囲で行った。また、これらの資料はデータベース化すべく実施中である。福岡の神楽の特徴を示す意味で一部の神楽についてではあるがCD-ROMを作成している。さらに一部の神楽の楽については採譜を行っており、必要に応じて逐次データに取り込む予定である。これらは報告書としてまとめる。 3 本研究の成果と今後の課題 本研究では、福岡県の神楽研究に関して、各地の神楽社の記録収集調査を以下の4点について重点的に実施した。(1)明治初年の社人神楽禁止の太政官令の前後の神楽に関する文献考証的考察。(2)明治初期以後の神楽伝承経過の解明と各地の神楽の比較調査。(3)新設、移入演目の問題点。(4)舞・音楽、演出法から見た芸能的特徴。この結果、福岡県の神楽に関する有力な情報を得ることが出来た。さらに今後の課題として、九州全域の神楽の比較調査を実施し、各地域の神楽の芸能的特徴を明らかにされることが望まれる。
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