1998 Fiscal Year Annual Research Report
寛政の改革政策と西国民衆の動向に関する研究-畿内幕領を主なフィールドとして-
Project/Area Number |
08610354
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Research Institution | TENRI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷山 正道 天理大学, 文学部, 教授 (30144801)
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Keywords | 幕府寛政改革 / 松平定信 / 巡見使 / 勝 与八郎 / 越訴 / 国訴 |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度であり、西国幕領のうち九州幕領も視野に入れながら、畿内幕領については大和、中国勤幕領については準中と備後の関係史料の調査・収集を補足的に行った。これと併行して、これまでに調査・収集した史料の筆写と分析に力を注いだ。本研究では、(1)従来の幕府憲政改革に関する研究史を広い立場から整理し、問題点を明確にする、(2)憲政改革前設の西国幕領の状況を既存の史料集所収の史料や旧家等に所蔵されている史料等にもとづいて把握する、(3)憲政改革期の幕政の特質を幕府法令等の分野にもとづいて明らかにするとともに、(2)との関わりにおいて西国幕領に対して当該期にどのような特色ある政策が展開されたのかを明らかにする、(4)こうした政策によって西国幕領にどのような影響がもたらされたのかを究明するとともに、それに対する当該地域民衆の動向(闘争)と幕政への影響について具体的に明らかにする、(5)以上の分析をふまえて、幕府憲政改革の歴史的性格に関して再検討を行い、研究成果を発表する、ことを課題としており、事情により期間内に研究成果報告書をまとめることはできなかったが、上記の(2)〜(4)の各課題に答える史料をかなり収集することができ、それらをもとに自らの見通しを得ることができたので、研究成果を遅ればせながらとりまとめ、提出する予定である。
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[Publications] 谷山 正道: "民衆運動と身分意識" 『天理大学人権問題研究室紀要』. 創刊号. 13-16 (1998)
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[Publications] 谷山 正道: "明治八年「奈良県会議則」と「大区会議章程」" 『奈良歴史研究』. 48. 24-33 (1998)
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[Publications] 廣吉寿彦(監修) 谷山正道・吉田栄治郎(共編): "『江戸時代人づくり風土記 奈良』" 農山漁村文化協会, 368 (1998)
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[Publications] 谷山正道・廣吉寿彦(共編): "『大和国高瀬道常年代記』(上巻・下巻)" 清文堂出版, 1183 (1999)