1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
守山 記生 奈良大学, 文学部, 教授 (60068822)
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Keywords | anarchie an Flandre / Robert le Frison / Char les le Bon / Enembald / Louis vi et Guillaume Cliton / Bruges et gand / Thierry d'Alsace / Philippe d'Alsace |
Research Abstract |
「交付申請書」(以下「申請書」と称す)で明確に書かず、「平成8年度一般研究(C)研究計画調書」(以下「調書」とする)に記した「研究目的(特に(2))」で述べたガルベール・ド・ブリュージュについては本研究の基本史料のひとつとするため、英語訳書を中心に、仏語訳書、ラテン語版を参考にして以前とはくらべられない精読を今年度中に完了した。ただ、「申請書」の「研究目的」でも述べたように、1127年の政変時に市民達の勢力高揚は充分みとめられるが、11世紀から13世紀までの長期的視野にたってこの事実を論証するのはかなりむつかしく、フランドルのプランシポ-テ論はやはりフランドル伯の諸政策を軸において述べざる得ないとの展望を現時点ではもっている。その場合、都市史にひきつければ11世紀から12世紀までをフランドル伯による事実上の「建設都市」の早期の根を見い出すことを実証したいと考えている。「申請書」の「研究実施計画」で述べたように今年度は先ず文献収集にほぼ全力を投じた。そのために九大の森本芳樹教授の研究室に出張し、とても多くの資料収集を果すことが出来、これも「申請書」の「研究実施計画」に予告したように上述した文献収集にほぼ終えることが出来たので、平成9年度以降にこれらの成果を基盤にして、研究に精力的に取り組み、具体的な実績をあげたい。そして「調書」の「研究計画・方法」の(2)で述べたようにガルベール・ド・ブリュージュの同時代史料の翻訳書についてであるが、諸般の事情でなかなかむつかしいが、版権の獲得など順調に行くようなら、かなり早期に公刊を実現することが出来るようにつとめたい。
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