1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08610461
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鹿島 英一 長崎大学, 留学生センター, 教授 (20253700)
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Keywords | 漢字字形 / 簡体字 / 現代漢語の文字単位集合 / 漢字集合の日中比較 / 情報理論的研究 |
Research Abstract |
現代漢語の漢字の内、簡体字はその約99%が2418字で書かれているという調査があり、その集合は日本語の常用漢字に相当する。だが、両集合の字形はかなり違うし、取る基本的な立場も違う。そこで、この両漢字集合の代数幾何学的な型(以下、型と略称)対照を念頭におきつつ、研究を実施し今年度は以下の結果を得た。 1.漢語普通話文で使用する簡体字の文字単位集合の要素を最終的に604と確定し、また型分布調査の対象となる字形エッセンス(以下、基準字形と略称)の基準の作り方を、曾て研究代表者が作って使った音標文字の場合と比較しつつ検討した。 2.上記の基準を、簡体字に関する604要素の字形集合に適用して、その型分布を調べたまた、その結果を、常用漢字に関する626要素の字形集合に適用して、昨年度に得た型分布に関する結果と比べて解析を試みた。 3.上記2で言及した二つの字形集合の幾何学的特徴を比較し、解析するに当たっては、両者を繋ぐ別の字形集合の存在が望まれる。そこで、常用漢字に簡体字的な基準を適用して得た355要素の字形集合を選び、その型分布に関する調査結果を加えて、三集合の結果を併せて解析したところ、集合の要素数や基準の取り方に違いがあるにも拘らず、ほぼ同一の数字を示した。尚、後で加えた常用漢字の別の集合は曾て研究代表者が非漢字圏の日本語学習者に対する漢字(字形)教育のために開発したものである。
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Research Products
(1 results)