1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08630031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 浩 北海道大学, 経済学部, 教授 (60109410)
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Keywords | 再販売価格 / 専売小売店 / 大手量販店 / 地域独占 / マージン率 / 小売価格 / 卸売価格 / 数量制限 |
Research Abstract |
再販売価格維持に関しては、法学上の対応と経済学上の対応とで異なるように思える。 独占禁止法は再販売価格維持は原則違反である。しかし、適用除外品目を設けることによって、再販売価格維持を許容している分野もある。経済学の分野では、最近のシカゴ学派の影響で、再販売価格維持は認められる傾向にある。その際、ブランド内競争とブランド間競争の関係、返品問題など、必ずしも法学者や経済学者の間ででも意見の一致や明示的な理論モデルが呈示されないまま論争されているケースが多い。 本年度は基礎的な資料の収集に努めたが、再販売価格維持の中で最もケースの多い場合を理論化した。すなわち、市場で独占力を有するメーカーが、系列の専売店を経由して再販売価格を指定するか、大手量販店を経由して小売価格の決定を量販店に任せるかのいずれかを選択するかである。 このような視点は従来なかったように思われる。われわれは新たに専売小売店と大手量販店の混在する場合をメルクマ-ル・ケースとして使用した。われわれの分析によれば、メーカーが専売小売店を経由する場合と専売小売店と大手量販店が混在するケースでメーカーにとって同一の利潤を与える量販店のシェアがあり、そのシェアよりも量販店のシェアが大きくなると、メーカーの利潤が減少する。したがって、メーカーにとって、量販店の存在は許容しうるが、そのシェアがあまり大きくなることは望ましくない。
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Research Products
(1 results)