1997 Fiscal Year Annual Research Report
EC統合を契機とする欧州企業の新展開(″ユーロ企業論″の構築に向けて)
Project/Area Number |
08630121
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
藤本 光夫 愛知大学, 経営学部, 教授 (20267884)
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Keywords | EC市場統合 / EU(欧州連合) / ユーロ企業 / リージョナル企業 / 3極経済圏 / マルチリージョナル企業 / グローバル企業 |
Research Abstract |
研究の目的は3つであった。第1は域内、域外での直接投資、貿易の推移、域内諸国の産業構造の変化を分析する。第2は企業のレベルでのM&A、リストラ、戦略的提携、工場の再配置、民営化と競争条件の変化などを全体的に関連づける。第3はEC周辺諸国経済の開放に伴うEC企業の進出、さらに米・日多国籍企業のEC企業に与えてきたインパクトも合わせて考察する。 平成8年10月以降の文献の収集・分析、研究会等での報告などを通して、上の3点を内容的に掘り下げ、同時にその詳細で具体的な把握に努めてきたが、平成9年度に入ってから、EC市場統合さらにマ-ストリヒト条約の発効によるEUへの移行を契機としたユーロ企業の成立・発展、そのリージョナル企業としての位置づけ、これを基礎にしたマルチリージョナル企業への発展のプロセスを試論的な理論モデルとしてまとめる作業を行った。その主たる内容は、3極経済圏の形成、その相互比較と世界経済に占めるウェート、地域(EC)統合への域内・域外企業の対応とその諸形態および対応のロジック、EC諸国のドメスティック型企業のリージョナル化(これはすでにかなり高度に多国籍化している)、このリージョナル化を経てのユーロ企業への転成である。 EC市場統合、EUへの移行のなかで成立してきたユーロ企業=リージョナル企業のマルチリージョナル企業への概念的発展・深化を機軸に据えて、もう一つ、企業の対外的発展のモデル化行った。すなわち、単一国籍企業、多国籍企業(マルチドメスティック型、マルチナショナル型)→マルチリージョナル企業(多国籍リージョナル型、マルチリージョナル型)→グローバル企業といった発展のプロセスを論理的に説明しようと試みた。
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