1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08630125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Miyazaki Sangyo-keiei University |
Principal Investigator |
山内 進 宮崎産業経営大学, 経営学部, 助教授 (90249194)
|
Keywords | 産業政策 / 特別償却の効果 / 減価償却資産 / 雇用の増加 / 長期借入金 / ライフ・サイクル / 自動車産業 / コンピュータ産業 |
Research Abstract |
租税特別措置の代表ともいえる特別償却の効果について以下の検証を行った。まず第一には、特別償却が減価償却資産の増加額に及ぼした効果についての分析をした。第二には、特別償却と長期借入金を説明変数とし減価償却資産の増加額に及ぼした効果についての検証をした。第三には、雇用の増加についての検討をした(第6章・第7章・第8章・第9章)。 実証分析の結果、自動車産業とコンピュータ産業の2産業が鉄鋼産業や繊維産業を圧倒して、特別償却が減価償却資産の増加額に対してかなりの効果を示した。しかもこの2産業においては、長期借入金よりも特別償却の方が減価償却資産の増加額に及ぼす効果が高かった。また雇用の増加もこの2産業はかなり高いものであった。 したがって、各産業の特徴、成長要因、産業政策等の実態をふまえながら、効果の大きかった自動車産業とコンピュータ産業の共通点をさがし出し、租税特別措置が効果をもたらす条件と限界について指摘した(第10章)。(1)産業の特徴として資本集約産業であること。(2)その産業のライフ・サイクルが成長期であること。(3)しかも製品のライフ・サイクルも短いこと。(4)技術集積度が高く生産ラインの変化が大きいこと。(5)需要や輸出が伸びていること。(6)利益が確保されていること。(7)企業家精神をもった企業家が存在することなとが特別償却が効果をもたらすための共通点としてあげられた。これらは、租税特別措置(特別償却)が効果をもたらす重要な要因であると考えられる。
|
Research Products
(8 results)
-
[Publications] 山内 進: "租税特別措置の効果の産業比較" 宮崎産業経営大学経営学論集. 11巻・1号. 1-34 (1997)
-
[Publications] 山内 進: "アジア税務会計(2)-外資優遇税務会計-" 宮崎産業経営大学経営学論集. 11巻・2号. 65-86 (1997)
-
[Publications] 山内 進: "アジア税務会計(3)-移転価格税制の比較-" 宮崎産業経営大学創立10周年記念論集. 205-221 (1998)
-
[Publications] 山内 進: "租税特別措置と産業成長" 日本経営学会経営学論集第70集. (1998)
-
[Publications] 山内 進: "租税特別措置と産業成長-税務会計を通じて実施された租税特別措置の効果分析-" 博士学位論文(慶應義塾大学商学研究科). 1-612 (1997)
-
[Publications] 山内 進: "アジア税務会計(4)-減価償却税務の比較-" 宮崎産業経営大学経営学論集. 11巻・3号. 1-30 (1998)
-
[Publications] 山内 進(共著): "現代経営学総論" 海声社, 256 (1997)
-
[Publications] 山内 進(共著): "スタディガイダンス会計学" 中央経済社, 215 (1997)