1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08630125
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山内 進 福岡大学, 商学部, 助教授 (90249194)
|
Keywords | 租税特別借置 / 産業の成長 / 効果分析 / 自動車産業 / 鉄鋼産業 / コンピュータ産業 / 繊維産業 |
Research Abstract |
平成8年度は文献研究と資料収集、インタビュー、平成9年度は東経手法(重回帰分析)を実施した。本年平成10年度は、前2年間での研究(文献研究と実証研究)を総括する期間であった。研究成果は、平成11年2月に、税務経理協会より本を出版することにより公表した。また、この研究成果は慶応義塾大学商学研究科 博学位論文にも示されている。本の出版は学位論文「租税特別措置と産業成長-租税特別措置の効果分析-」600頁を出版用400頁に要約したものである。第一部、租税特別措置の独自性、第二部効果分析する必要性、第三部効果分析手法、第四部分析、第5部条件と限界である。以前の実績報告書にも示したように、わが国の租税特別措置の独自性に、焦点を当て、産業政策手段としての租税特別措置を特定産業の成長という視点から考察した本の出版である。そしてその視点から、租税特別措置の定義、変遷、特質、効果、限界等について、体系的、包括的に整理した書物である。研究対象としたのは、自動車産業、鉄鋼産業、繊維産業の4産業、延べ32社である。そのうち本出版には、約10社について、記述されている。結論として、特定産業の成長という視点からみた租税特別措置は企業家精神がある。(1)資本集約産業である。(2)産業のライフサイクルが成長期。(3)製品のライフサイクルが短いこと。(4)技術集積度が高く生産ラインの変化が大きいこと。(5)需要や輸出が伸びていること。(6)利益が確保されていること等の要因に恵まれた産業には効果があるものの、衰退産業を成長させるほどの効果はないということを示唆した。特別措置は成長への刺激剤と結論した。
|
-
[Publications] 山内 進: "ハイブリッド税務会計" 宮崎産業経営大学 研究紀要. 10巻 2号. 1-28 (1998)
-
[Publications] 山内 進(共著): "日本企業のアジア進出" 税務経理協会, 214 (1998)
-
[Publications] 山内 進(単著): "租税特別借置と産業成長-租税特別借置の効果分析-" 税務経理協会, 396 (1999)