1997 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー冷却 極低温原子を用いた原子波制御の基礎研究
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08640516
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Research Institution | Tokyo Institute of Polytechnics |
Principal Investigator |
中川 賢一 東京工芸大学, 工学部・光工学科, 助教授 (90217670)
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Keywords | レーザー冷却 / 原子波干渉計 / 原子物理 |
Research Abstract |
前年度においてガラスセル中のRb原子を2台の外部共振器型半導体レーザーと磁気光学とラップを用いてレーザー冷却および捕捉することに成功しているため、今年度は先ず冷却原子の温度、個数等の基礎特性の評価を行なった。これには冷却用とは別にプローブ用の外部共振器型半導体レーザーを製作し、これを捕捉された原子に入射してその吸収スペクトルを測定することによって行なった。その結果、背景Rbの圧力を10^<-7>トル程度まで上げることにより捕捉原子の数は最大で約10^8個にまで増加した。冷却原子の温度は飛行時間法を行なったが、蛍光の収集効率が悪く、測定が困難であったが、吸収スペクトルのドップラー幅からは少なくとも1mk以下であることが確認された。この磁気光学トラップによって捕捉された原子をさらにμK台にまで冷却するため、偏光勾配冷却を行うための実験系を組み上げ、その予備実験を行なった。先の飛行時間法を用いて温度を高精度に評価することにより、原子波としての振る舞いが顕著になるμK台の極低温原子を高効率で生成できることが確認できる。 理論面では、二つのレーザー光が作る周期的光ポテンシャル中における極低温原子との相互作用に関して計算機シミュレーション等を用いて研究を行なった。その結果、ポテンシャル中の原子の量子状態がポテンシャルを形成するレーザー光の強度および位相の変化より非破壊で観測できることが分かった。またこの方法を用いると原子の量子的運動状態を観測してこれを基に逆に原子の運動状態を制御できることが可能で、これを実際に実験的に実現する方法について検討を行った。
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Research Products
(1 results)