1996 Fiscal Year Annual Research Report
高圧・応力過程での相変態の動的観察とそのカイネティクス
Project/Area Number |
08640606
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 高光 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30126560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 隆哉 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20243131)
大高 理 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40213748)
植田 千秋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176591)
吉朝 朗 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00191536)
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Keywords | 地球内部物質 / 構造相転移 / 運動論 / 高温高圧条件 / 格子変形 |
Research Abstract |
マントル科学での流動現象やスラブの沈み込み運動などの地球ダイナミックスを理解する上で物質科学的な構造研究が必要である。既に地殻やマントルの構成鉱物の温度・圧力条件での熱力学的安定性を議論する相平衡実験や結晶構造や組織などの研究は多くなされてきたが、それらの物質を取り巻く地球内部での物理環境の変化(温度・圧力・分圧・電場・磁場・化学ポテンシャル等)による転移・分解・融解・再結晶や固相反応等の諸々の構造変化、またそれらの機構を解明すること研究対象とした。巨視的な地球物理現象はミクロな地球構成物質の格子変形、粒径変化、配向、物質移動、構造変化のカイネティクスなどの物質科学的な研究を抜きに議論することはできない。結晶の組織、粒子サイズや配向性は、圧力伝播や熱伝導、すべり系に、従って転移や分解の臨界 圧力や温度に影響を与える。これらはX線回折プロファイルの定量的な解析を行い、これらの効果は圧力誘起の相転移や流動現象の立場から議論ををおこなった。本研究ではさらにサブダクションゾーンの応力や温度を再現し、地球深部物質が温度や圧力の環境変化に伴って起きる構造の変化を逐次観察し、準安定相の存在や、運動機構を議論をした。 地殻・マントルを形成するケイ酸塩鉱物、水和鉱物の構造変化の素過程やカイネティックスの研究を行なった。温度や圧力が変動した場合、熱力学的に安定な構造に必ずしも相転移したり、分解するとは限らない。充分な熱的な活性化エネルギーが無い場合は準安定相や不安定中間相に留まることがある。特に高い応力場でしかも非常に低温状態であるサブダクション帯での諸現象の解明の一助となった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Yamanaka and S.Morimoto: "Isotope Effect on Anharmonic Thermal Atomic Vibration and K Refinement of 12C and 13C Diamond" Acta Crystallographica. B52. 232-238 (1996)
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[Publications] T.Yamanaka,T.Nagai and T.Tsuchiya: "Mechanism of pressure-induced amophization" Zeitschrift fur Kristallographie. 212. 1-10 (1997)
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[Publications] A.Simon,A.Yoshiasa,et.al.: "Supraleitung in Seltenerdmetall-Carbidhalogeniden des Typs SE2X2C2" Zeitschrift fur anorganische und allgeneine Chemie. 622. 123-137 (1996)
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[Publications] T.Tamura,A.Yoshiasa,et.al.: "Local structure of (Ca,Sr)2 (Mg,Co,Zn)Si207 melilite solid-solution with modulated structure" Phys.Chem.Minerals. 23. 81-88 (1996)