1997 Fiscal Year Annual Research Report
溶存粘土の粒子-粒子間および粒子-溶媒間相互作用に関する物理化学的研究
Project/Area Number |
08640644
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川泉 文男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40023204)
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Keywords | 粘土溶液 / インターカ-レーション / 溶質-溶媒間相互作用 / 圧縮率 |
Research Abstract |
合成粘土サポナイトを対象として,溶液中に分散した粘土粒子への界面活性剤のインターカ-レーションに対する鎖長依存性の問題に焦点を絞り,溶液中の音速度と密度,ゼータ電位,X線回折らの手段により検討した。本研究の具体的成果を以下に箇条書する。 1)溶液物理化学として最も必要な事項である“同一の試料溶液"が調整できるため,標準粘土サポナイトを使用し,分散溶液の時間・濃度安定性を明確にした。 2)一連のアルキルトリメチルアンモニウム臭化物C_nTAB,ここでn=8,10,12,14の1.25x10^<-5>mol dm^<-3>水溶液に,稀薄な粘土水溶液を添加し,その音速度の変化を25℃においてsing-around法により測定した。音速度と密度より溶液の圧縮率を求め,界面活性剤が粘土の層にインターカ-レートしていることを確認した。 3)粘土-界面活性剤複合体溶液と溶媒との圧縮率の差Δκはアルキル鎖の炭素数nにつれて順次変化していった。 4)複合体試料の層間距離dをX線回折から求めたところ,距離dはnにつれて増加した。すなわち,界面活性剤のインターカ-レーションにより,層間距離が大きくなることが確認された。 5)ゼータ電位の測定もΔκとn,dとnとの関係を支持した。 6)粒子-粒子間相互作用の出発となる単原子-単原子二成分系の熱力学量を溶液の統計力学における積分方程式理論に基づいて評価した。
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Research Products
(1 results)