1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640703
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
坂西 勝正 鈴鹿工業高等専門学校, 工業化学科, 教授 (50043310)
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Keywords | 化学発光 / 三員環過酸化物 / ジオキシラン類 / アクリジン類 / 1,2,4-トリオキサン / 過オキシ炭酸 / ジメチルジオキシラン / メチル(トリフルオロメチル)ジオキシラン |
Research Abstract |
1 三員環過酸化物ジオキシランとオレフィン(10-メチル-9-アリールメチレン-9,10-ジヒドロアクリジン類)はオキシラン中間体を経て、2分子目のジオキシラン分子部分を含む環状過酸化物1,2,4-トリオキサンを生成し化学発光を伴って分解すると推論し、その証拠を見た。(1)ジメチルジオキシラン(DMD)とメチル(トリフルオロメチル)ジオキシラン(TFMD)との反応を化学発光の速度論で比較した。9-フェニルメチレン誘導体との反応ではTFMD/DMDの相対速度は25℃で93であり、また化学発光の活性化エンタルピー、TFMDでは12.4kJ/mol、DMDでは52.5kJ/mol、には違いがあり環状過酸化物中間体はジオキシラン分子部分を含むことを示した。(2)9-位に嵩高い置換基を有し攻撃点の上下から立体的に影響するオレフィンとの反応を過酸の一種であるO-ベンジルモノ過オキシ炭酸(OBPCA)とDMDと比較した。オレフィン消失速度の速度論はDMDとOBPCAともにほぼ同じ立体的環境でオレフィンと反応することを示した。しかし、化学発光の速度論は、特に9-(2,4,6-トリメチルフェニル)メチレン誘導体では、DMDとOBPCAで大きな違いがあることを示し、DMDとの反応における環状過酸化物中間体の分解は過酸類との反応における鎖状の過エステルとは異なりほぼ同じ立体的環境で進むことを示した。さらに、立体的に嵩高い9-アダマンチリデン誘導体とTFMDの化学発光の速度論は環状の過酸化物中間体は環の上下からの立体的影響によって活性化エントロピー的に安定化されることを示した。 2 9-フェニルメチレン誘導体と酸化剤オキサジリジン類との反応で生ずる1:1付加物を活性なオキシランの保護された中間体とみなし、それのジオキシラン類との反応は新しい化学発光反応であることを見いだした。
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