1997 Fiscal Year Annual Research Report
固体^<19>F-NMRを用いたチャンネル型膜蛋白質微細構造の解明
Project/Area Number |
08640751
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Suntory Institute for Bioorganic Research |
Principal Investigator |
岩下 孝 財団法人サントリー生物有機科学研究所, 主任研究員 (00150144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 紀子 財団法人サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (20236102)
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Keywords | バクテリオロドプシン / フルオロトリプトファン / 固体NMR / MALDI-TOF / プロトンポンプ |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、固体NMRによるバクテリオロドプシン研究のためにタンパク質部分にフッ素原子あるいは炭素-13原子を導入することを検討した。 バクテリオロドプシンのトリプトファンの位置に種々のフッ素含有トリプトファンを取り込ませることが出来ることは分かったが、5-フルオロ-DL-トリプトファンの場合に比べ、4-フルオロ-DL-トリプトファンまたは6-フルオロ-DL-トリプトファン投入時は極端に収率が落ちる場合があるという問題があった。前培養の培養状態をそろえ、530nmと660nmでの光学密度をモニターしながらフルオロトリプトファンを投入することによって再現性よくタンパクが生産できるようになった。フルオロトリプトファンは生産の阻害をしている可能性があり、生産量はそれほど向上しなかった。炭素-13原子に関してはトリプトファンインドール環の4位を標識したトリプトファンを投与し、生産を試みている。 フルオロ化バクテリオロドプシンについてはプロトンポンプ能、MALDI-TOF型のマススペクトル、固体13-Cおよび19-F NMRの測定を試みた。いずれのタンパク質もプロトンポンプ能を持つことは確認した。マススペクトルは膜画分をそのまま用いて測定したところ、4-フルオロおよび5-フルオロトリプトファンを含有するタンパクは分子イオンピークを観測できたが、6-フルオロの場合、観測出来ていない。スクロースグランジエントの挙動を見ても6-フルオロトリプトファン含有タンパクは比重が軽く、膜への発現の状況が他のタンパクと異なることが示唆された。固体13-C NMRではカルボニル炭素がよく見え、かなりのタンパク濃度であることが分かった。固体19-F NMRはMASを試みたところ、意外に緩和時間が長いことが分かった。
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