1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08640901
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 啓一 国立科学博物館, 動物研究部, 室長 (70141984)
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Keywords | モンガラカワハギ科 / 仔稚魚 / 分類 / 系統 |
Research Abstract |
1.国立科学博物館、遠洋水産研究所および南西水産研究所に保存されている標本とオーストラリア博物館から借用したモンガラカワハギ科仔稚魚の属レベルの同定に使用できる形質を明らかにするため、計数形質、計量形質、燐の分布・形態、色彩などを詳細に調査した。 2.その結果、他の魚類と同様、モンガラカワハギ科においても稚魚では頭部が大きく、眼径が大きいことが明らかになった。稚魚は成魚に比べると分類に使用できる形質が少ないが、逆に稚魚特有の識別形質が存在することも明らかになった。例えば、ツバサモンガラ属の稚魚では胸鰭下方の体側が大きく外側へ膨出する。この特徴はツバサモンガラ属の稚魚にのみ見られ、成魚では膨出部は非常に小さい。この顕著な体側の膨出部によってツバサモンガラ属の稚魚は他のモンガラカワハギ科の稚魚から容易に識別できる。 3.また、稚魚特有の色彩パターンをもつ属があることも判明した。メガネハギ属では体背方が暗褐色で腹方が白い。このような色彩パターンは本属の稚魚に特有に現れる。アミモンガラ属では暗色の体に多数の小白色点が散在し、この形質によって本属魚類は他の稚魚から識別できる。キヘリモンガラ属とモンガラカワハギ属は体に特有の黒色点があり、この特徴によって識別可能である。ソロイモンガラ属の稚魚では成魚には見られない眼の周囲の放射状模様がある。この特徴は本属稚魚だけに見られる。オキハギ属の稚魚は背中に3個の大きな白斑がある。これは成魚になっても残るが、稚魚に比べると不明瞭である。アカモンガラ属の稚魚は犬歯が発達しているので、他の属からの識別は容易である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Matsuura,K.: "A review of the triggerfish genus Xenobalistes." Bull.Natn.Sci.,Tokyo. (A),23. (1997)