1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
黒部 利次 金沢大学, 工学部, 教授 (60019742)
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Keywords | 磁性流体 / 磁性スラリー / 研削型超精密研磨 / 硬脆材料 / 表面粗さ / 自由曲面創成 |
Research Abstract |
情報機器や精密機械に搭載されている硬脆性材料の部品の加工精度の向上と加工コストの低減を目指して,磁性流体を利用した研削型超精密研磨法の開発研究を行っている.本研究は,磁性流体に砥粒を懸濁した磁性スラリーを用いるこよにより,加工液を溜めるための研磨槽や加工物の移し換えを必要としない研削加工型の最終仕上げ法の開発を指向している. 加工装置は,精密型自動XYステージ(シグマ光機:STM-40XY)および2軸パルスコントロラ-(シグマ光機:AS NET-3-2)を用いて,同時2軸制御型の加工実験装置を試作した.加工装置は円盤状のポリシャと加工物ホルダを回転させるための2つの直交した回転軸から構成され,加工物側回転軸は精密型自動XYステージ上に固定されている.ポリシャの内部には永久石を配置して,磁性流体と砥粒の混合液体をポリシャ外周表面上に保持できるようにしている.また,加工物とポリシャの接触状態は加工物ホルダに取り付けられた加速度検出器によって検出され,常にポリシャと加工面の間に極わずかな隙間が生じるように,XYステージを制御している. 実験は,磁性スラリーとして磁性流体(タイホ-工業,フェリコロイド,W-40,HC-50)にアルミナ砥粒(A12O3)を懸濁したもを使用し,脆性材料の一種であるシリコンウエハについて行った.加工状態の観察・測定は,SEM観察及びホームタリサーフを使用して行った.その結果,水ベス磁性流体とケロシンベース磁性流体では,加工量の絶対値(大きさ)が異なること,研磨能率は加工点付近の磁場強度と磁場勾配を変えることによって制御し得ること,水ベース磁性流体を用いた場合,研磨溝深さの変化の割合は大きいことがわかった.また,表面粗さは,使用する砥粒径に強く依存することも明らかとなった.
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