1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08650391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
工藤 勝利 明治大学, 理工学部, 教授 (00062000)
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Keywords | 電気トリ- / フラクタル / フラクタル次元 / 絶縁体 / 高分子材料 / CT法 / 架橋ポリエチレン |
Research Abstract |
今年度は、実用上用いられている架橋ポリエチレンと透明高分子であるポリメチルメタクリレートを取り上げ、電気トリ-の3次元パターンの実測を行い、これらのパターンのフラクタル性を調査することを目的とした。 得られた結果は、以下のようである。 1.架橋ポリエチレンを取り上げ、交流電圧印加の下で、トリ-を進展させ、このトリ-を3次元に再構成し、その3次元像のフラクタル性を確認した。この場合、トリ-を3次元に再構成するために、連続セクショニング法では、疎から蜜までまでのトリ-形状のフラクタル次元が求められるが、光CT法では、密なトリ-形状のフラクタル次元を求めることが困難であることが明らかとなった。トリ-形状の変化とフラクタル次元の大きさは密接に関係しており、トリ-形状のフラクタル次元による定量化が可能であることを見いだした。 2.ポリメチルメタクリレートを取り上げ、交流電圧印加の下で、トリ-進展に伴う時系列での部分放電特性と放電発光特性を測定し、それらのフラクタル性とカオス性を調査した。カオス性を確認するために、得られたデータに対して、アトラクターを作成し、そのアトラクターのフラクタル次元を求めて、検討を加えた。さらに、得られたデータから、リアブノフ指数と自己相関関数を求めて検討を行った。その結果、電気トリ-進展に伴う部分放電特性と放電発光特性がカオス性を有することが明らかとなった。また、アトラクターのフラクタル性が確認できた。 3.トリ-パターンの3次元とその2次元投影パターンの関係について調査した結果、両者の間にある関係式が得られることが分かった。この関係式を用いることにより、2次元投影パターンのフラクタル次元から3次元パターンのフラクタル次元を推定することが可能となった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 植原弘明: "XLPE中の交流トリ-形状の3次元的な進展特性とフラクタル" 電気学会・電気絶縁材料シンポジウム. 263-266 (1996)
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[Publications] H.Uehara: "Fractal Analysis of 3-Dimensional Propagating Patterns of AC Electrical tree" '96 Asian Int.Conf.on Diel.and Elec.Insul.65-68 (1996)