1998 Fiscal Year Annual Research Report
都市大型重要構造物の地震時における振動制御に関する研究
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08650566
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
吉川 正昭 高知工業高等専門学校, 建設システム工学科, 教授 (20280480)
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Keywords | ACサーボモーター / 開閉ループ制御則 / 模型振動台実験 / 時間依存型評価関数 / アクティブマスドライバ装置 |
Research Abstract |
現代制御理論に基づいたフィードバック制御、地震外力項を取り込んだ閉開ループ制御、スピルオーバの定量的な評価の定式化を行なった。次にそれらの制御アルゴリズムの妥当性を検証するため、構造物の屋上に付加質量を取り付けた付加質量型の制振システムを想定した8自由度の試験体およびDSP(デジタルシグナルプロセッサ)とパソコンで構成した制御コントローラを使用し、振動実験を行った。その結果、低次元化モデルで安定な制御システムを構成できることを確認した。また、新しい制御則である地震外力項を取り込んで最適化を行った閉開ループ制御手法の妥当性が明らかとなった。制御の問題は検証できなければ、理論で応答を小さくできたといっても意味をもたない。 可動質量型の装置では大地震時に質量の可動部長さ不足のため制御できないなど、まだまだ開発の余地が残されている。質量の可動部に特殊な増幅機構を追加した装置の開発もみられる。これらのことを踏まえると「制御アルゴリズム」だけを論じても実際にその制御アルゴリズムが役に立つものかどうかを実証しなくてはならないため、本目的の制御効果を上げる手法の他に、制御の安全性や信頼性などの観点からも評価することが必要である。そのためには制御理論の他にアクチュエータやセンサー(サーボ加速度計)の特性などに関する改良などの研究も必要となる。現状では外部からのエネルギーが少なくて済む装置で制御系が作動しなくなったときに減衰装置として機能するようなATMDの方法がよいと考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 吉川正昭: "歴史地震による四国の危険度解析" 土木学会四国支部技術研究発表会講演概要集. 56-57 (1998)
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[Publications] 吉川正昭: "中村地方地盤の液状化解析" 土木学会四国支部技術研究発表会講演概要集. 54-55 (1998)
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[Publications] 吉川正昭: "積層ゴムを用いた免震構造物の地震応答解析" 土木学会四国支部技術研究発表会講演概要集. 52-53 (1998)
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[Publications] 吉川正昭: "地震-抗基礎-構造物全体系の地震応答解析" 土木学会四国支部技術研究発表会講演概要集. 50-51 (1998)
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[Publications] 吉川正昭: "南海地震に備えて-高知地震防災研究会の取組み-" 土木学会誌. 83. 37-38 (1998)