1998 Fiscal Year Annual Research Report
水平地動を受ける水の入った円筒タンクにおける非線形振動応答に関する研究
Project/Area Number |
08650678
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
皆川 洋一 鹿児島大学, 工学部, 教授 (30128459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下舞 三男 鹿児島大学, 地域共同研究センター, 助教授 (50171004)
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Keywords | 非線形振動 / 円筒タンク / 分数調波振動 / out-of-round / だ円モード / 幾何学的非線形 / 水平振動 |
Research Abstract |
円筒シェルのタンク模型に水を入れ、水平地動を作用させると、線形振動理論からは予測できないさまざまな非線形振動応答が観測される。公称厚さ0.51mmの塩化ビニルフィルムを利用して、直径約84.5mm、高さ200mmの円筒シェルタンク(頂部に厚さ8mmのアクリル板のフタを有する)を作成し、正弦波の外力のもとで、外力加速度を変化させて水平実験を繰り返した。円筒シェルの3個所の変位は非接触変位計、円筒シェルの周方向の変位モードはこの方向に貼付した16枚のひずみゲージを利用して測定した。高速フーリエ変換を利用して、応答の周期成分を分析した。特に激しい振動としてある振動数領域において出現する1/3倍、および1/2倍の分数調波振動の発生メカニズムを解明する検討を加えた。すなわち、外力加速度をパラメータとして、発生する分数調波振動と周方向振動モード、振動モードの固有振動数との関係を分析した。周方向展開次数N=4,5,6の振動モードに対応する固有振動数の2倍の外力振動数近傍において、1/2倍の分数調波振動が生起すること、およびこれにN=1の2番目に小さい固有振動数が絡むと、1/2倍の分数調波振動と1/3倍の分数調波振動が連成し、複数の周方向展開次数N(>4)を有する振動モードが混じる分数調波振動が起こることを明らかにした。また、これらの応答における水の量の変化させ、固有振動数の変化に対応して、分数調波振動の不安定領域も移動することを明らかにした。
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