1996 Fiscal Year Annual Research Report
高温純水中の応力腐食割れき裂速度--原子炉冷却配管の安全性評価指標として--
Project/Area Number |
08650823
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata Institute of Technology |
Principal Investigator |
布村 成具 新潟工科大学, 工学部, 教授 (60016764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺島 正二郎 新潟工科大学, 工学部, 助手 (20278071)
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Keywords | 応力腐食割れ / SCC / KISCC / き裂伝播速度 / リング試験片 / 冷却配管 / 2024Al合金 |
Research Abstract |
疲労予き裂のない試験片を用いたSCC試験から破断時間が評価値として得られ、相対的なSCC感受性が評価される。しかし、この方法ではき裂が発生しはじめる応力の値を知ることは出来ない。これに対し、KISCC試験は疲労予き裂試験片を腐食環境中で500時間荷重を加え耐える応力を求めるが、500時間は実使用に比べ過小で、安全側の評価は出来ない。KISCCを測定するには短いと考える。比較的低い歪速度で定歪速度試験を行なうSSRTも同じ欠点を持っている。定荷重負荷の応力腐食割れ試験によりda/dtとKの関係を正しく求められるなら、寿命予測=安全保障が可能となる。しかし、定荷重負荷の応力腐食割れ試験は長時間を要する。そこで本研究では、一度の試験で多数の試験片のデータを得るため、リング試験片を用いた多試片 定K値応力腐食割れ試験機を試作して、まず感受性の既知な2014-T6 Al合金を用いて試験の有効性を確かめる。用いた[リング試験片の特徴は、き裂を荷重軸方向と一致させて圧縮荷重を加えたたときに比較的広いき裂長さ領域でK値一定であるというもので、解析的に実験的に確認されている。き裂伝播速度を測定するに当たってき裂長さの絶対値は必要なく、測定されたき裂長さの相対値の時間変化をそのままき裂伝播速度とすることができる。長期間に渡る試験ではき裂長さの増分に比べ絶対値を正確に求めることは困難である。き裂長さの測定は当初電位差法の適用を試みたが短い間隔での監視が必要で、その要員の確保が難しく、CCDカメラで撮像しタイムラプスビデオに記録解析する方法を採用した。この方法は冷却配管材の試験には適用出来ないが(そこでは電位差法を用いる)、その試験法の検証には効率的手法であり、その他環境への展開に役立つ。結果はSpeidelにより報告された2014-T651 Al合金のDCB試験片を用いた実験結果とよく一致した。平成9年度は模擬高圧容器中でda/dtの測定を行う。
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[Publications] K.Kumai,J.Hu Y.Higo,S.Nunomura: "Effectsof Dendrite Cell Size and Particle Distribution on the Near Threshold Fatigue Crack Growth of Cast Al-SiCp" Acta Mater. 44-6. 2249-2257 (1996)
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[Publications] 布村成具、熊井真次、胡健群 関川明功: "粒子強化鋳造アルミニウム合金の疲労き裂伝播" 日本材科学会フラクトグラフイ部門委研究会. 第65回. 1-6 (1996)