1997 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルアロイング法により創製したAL-Ti系非平衡相粉末の超高圧・低温成形
Project/Area Number |
08650839
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
佐治 重興 富山大学, 工学部, 教授 (60029072)
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Keywords | メカニカルアロイング / Al-Ti-X系合金 / 非平衡相 / アモルファス / ナノ結晶 / 超高圧・低温固化成形 / 拡散 / 熱安定性 |
Research Abstract |
研究目的:アルミニウムに添加した時その合金強度を著しく向上させるが、固溶限が小さいTi,Fe,Ni,Cr,Zr,Cuなどの遷移金属元素をメカニカルアロイング(MA)法によってAl中に多量に強制固溶させた、ナノ結晶粒から成る合金粉末あるいはアモルファス粉末を作製し、2〜5GPaの超高圧下、200〜400℃の低温で非平衡相を保持したまま固化成形する。超高圧下では拡散が抑制されるため、強制固溶体の分解やアモルファス相の結晶化は阻止されて非平衡相のまま固化成形できる。また、超高圧は粉末粒子間の凝集を促進し、ボイドの低減に有効である。成形されたナノ結晶強制固溶体中のCuおよびMg原子の不純物拡散に関する貴重なデータを得る。 研究成果:Al-12at%Ti混合粉末およびAl-12t%Ti-(3〜20)at%X(X=Fe,Ni,Cr,Zr,Cu)混合粉末を高エネルギー遊星ボールミルを用いてMAした結果、Al-12Ti2元系およびAl-12Ti-Cu3元系では強制固溶体が主に得られたが、Al-12Ti-X(X=Fe,Ni,Cr)3元系ではアモルファス相が得られた。Al-12Ti-Zr3元系では2種の金属間化合物が得られた。また、MAとその後の超高圧、低温固化成形によって得たナノ結晶強制固溶体中のCuおよびMgの不純物拡散の実験結果では結晶中拡散の活性化エネルギーの値は粒界拡散のそれより低く、表面拡散の値に近い。ナノ結晶界拡散の頻度印紙のち;2.4x10^<-12>m^2/sは表面拡散と液体拡散の値の中間にあり、ナノ結晶体の粒界構造は通常の結晶粒界よりかなり間隙の広い構造になっていると考えられる。これらの研究成果を学会論文2編に報告した メカニカルアロイング法で作製したAl-Ti系強制固溶体のナノ結晶から成る合成粉末を573Kおよび623Kで2GPa以上の高圧下で非平衡のまま固化成形することに成功した。得られた成形体(平均結晶粒径、14nm)の相対密度は約98%であり、そのヴッカース硬さは約400を示した。この値は工業用純アルミニウムのそれの約20倍になる。また、成形体の熱処理において、焼純温度、573K以下では40時間の長時間加熱に対しても組織と硬さはほとんど変化せずに安定であった。これらの研究結果の詳細を学会誌に発表予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shigeoki Saji: "Amorphization of Al-12at%Ti-X (X=Cr, Fe, Ni, Cu) Mixed Powders by Mechanical Alloying" Materials Transactions, JIM. 37・5. 1061-1066 (1996)
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[Publications] Yoritoshi Minamino: "Diffusion of Copper in Nanocrystalline Al-7.8at%Ti-0.3at% Fe Alloy Prepared by Mechanical Alloying" Materials Transactions, JIM. 37・2. 130-137 (1996)
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[Publications] 佐治重興: "メカニカルアロイングしたAl-10,7at%Ti粉末の低温・高圧下での固化成形" 日本金属学会誌. (発表予定).
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[Publications] 佐治重興: "メカニカルアロイングにより作製したAl-Ti合金の非平衡組織の熱的安定性" 軽金属. (発表予定).